【人事必見】IT業界の離職率は?退職につながる理由と対策5選

IT業界は慢性的な人手不足と言われ、転職も他の業界に比べると盛んです。
では、IT業界の離職率は、他の業界に比べて高いということになるのでしょうか?

今回は、厚生労働省発表のデータやIT業界の特徴から、IT業界の離職率について解説いたします。
IT業界で離職が起こる理由や、離職率を下げるためにできる具体的な施策についてもご紹介します。

IT業界の離職率は高い?低い?

離職
厚生労働省の調査によると、IT業界(情報通信業)の離職率は9.6%でした。
対して、入職率は12.2%で離職率を上回っていて、全体としてはIT業界で働く人の数は増えています。

参照:厚生労働省

他業界と比較すると、日本全体の離職率平均は15.6%なので、IT業界はやや低めです。
離職率が特に高い宿泊業・飲食サービス業(33.6%)生活関連サービス業・娯楽業(20.5%)等と比べると、1/2以下の数字となっています。

ただし、あくまでも9.6%というのはIT業界全体の平均なので、離職率1%以下の優良企業もあれば、30%以上のいわゆるブラック企業もあります。
実質的にはIT業界全体の離職率よりも、自社の離職率や、業態・事業規模の似た同業他社の離職率を参考にするべきでしょう。

離職率の定義や算出方法について詳しくは、「離職率とは?計算方法・下げるためのポイント」をご覧ください。

この機会にぜひ、自社の離職率を求めてみてください!

IT業界で離職が起こりやすい理由

ここでは、離職率が高いIT企業では、なぜ離職が起こってしまうのかを解説していきます。
企業側の要因と社員側の要因に分けて説明します。

企業側の要因

企業側の要因としては主に3つ挙げられます。

給与が少ない

よくIT企業に勤められている社員の方で、数年勤めていて技術もそれなりにあるのに
給与が全然上がらない。と言われている方や、
今の会社では給与が上がる気配もないし、結婚もそろそろ考えているので
転職を考えているという方が、とても多いです。
ですので、企業側は評価と給与の見直しを定期的に行ったほうが良いでしょう

労働環境が悪い

オンラインで済むことをオフラインで行ったり、世間がフレックス制度・リモートワークを推奨する中で、受け入れていない企業様も多くないですね。
しかし、IT業界の中でも特にエンジニアやスキルを持った人たちには
大きなデメリットです。
転職の話を聞く中でも、リモートワークも可能でないと行きたくない
などの声も少なくはありません。

業務量が極端に多い

企業からすれば、この言葉を聞いて理解できない方もいると思います。
しかし、エンジニアやスキルを持った人達は、こなす作業だけでなく
日々進化するプログラムやスキルを身につける、学習時間が必要なのです。

エンジニア側の要因

先ほどは企業に対しての要因を書きましたが、そこを直しただけでは離職率を下げるには
厳しいでしょう。
今からお話しするエンジニア側の要因についても、しっかり対策をしましょう。

向上心が強い

エンジニアの多くが現状で満足せず、勉強熱心な方が多いことはよく知られています。
日常の業務だけでなく、新しい言語の勉強や、最新の技術に敏感な彼らは

労働時間がランダム

IT業界は、長時間労働が慢性化している業界の一つです。
プロジェクトの納期前には深夜残業が発生したり、24時間サポートのサービスを提供している会社なら夜勤があったりと、労働時間がランダムかつ長時間になりがちです。
生活リズムを整えたり、家族や友人と過ごす時間を増やしてQOLを上げるには、やはり昼間に規則正しく働きたいという人が多いのは当然です。

また、厳しい労働環境に見合うだけの手当があれば離職を思いとどまる理由にもなりますが、みなし残業・裁量労働制などでそれが無い会社も多数あります。
労働環境と待遇のバランスが取れていない会社は、離職者が多くなりやすいのです。

IT企業が離職率を下げるための5つのポイント

それでは、離職率を下げ、定着率を上げるためにはどんな施策が必要なのか、見ていきましょう。

①募集方法見直しでミスマッチを防ぐ

募集方法を見直して、自社に定着しそうな人材に絞って採用するのが、離職率を下げる第一歩です。
そもそも採用時、会社や仕事内容にあっていない人材を採用してしまうと、ミスマッチから早期離職が起こり、離職率が上がってしまいます。

具体的な施策としては、採用フローの中で仕事内容や待遇についてしっかり説明したり、自社に定着する人材の傾向を分析してペルソナを定めたりすることが挙げられます。

②入社した社員のフォローを怠らない

採用を行った後も、その社員を手厚くフォローすることで、自社に定着しやすくなります。
定期的な面談で、不安や不満を抱えていないかどうか、上司や同僚とうまく人間関係を築けているかどうかなどを確認しましょう。
このようなフォローで、改善可能な不満を自分の中だけで溜め込み、離職に踏み切ってしまうのを防ぐことができます。

また、新人・中途社員が入社後どのように感じているのかを人事担当が知ることで、今後の採用に活かせるアイデアも出てくるでしょう。

③女性が働きやすい環境づくり

社員自身は働きたいと思っていても、離職せざるをえなくなる理由の一つに、女性の結婚・出産・育児があります。
女性が働きやすい環境を整えることで、このような理由での離職を減らすことができ、離職率の削減に繋がるでしょう。
法律で定められた産休・育休の実用はもちろんのこと、体調がつらい時でも働きやすいリモートワークや時短勤務、社内託児所の設置などの施策が考えられます。

また、現在給与額や管理職の人数に男女差がある会社では、女性のキャリアアップ実例を積極的に作っていくことも、これから結婚・出産を控えた若い女性社員のモチベーション向上に繋がるでしょう。

④評価制度の見直し

「今の会社では、自分の働きに見合った評価が得られない」という不満は、離職を考える大きな理由になります。
面談などを通じて、今の評価制度に不満を持っている社員はいないかどうか、いるならどのような理由かを分析しましょう。
例えば、年功序列の傾向が強く、年齢が高ければ仕事ができなくても給与が上がるような仕組みだと、若く有能な人材は不満を感じがちです。

また、社員の自己評価と会社からの評価にギャップが出ないよう、定期的に振り返りやフィードバックを行っていく等の施策も考えられます。

⑤社員同士の交流の場を作る

社内の人間関係が良好だと、労働環境や待遇が厳しくても離職を踏みとどまる理由になります。
また、社員間に信頼関係や気軽に相談しあえる関係ができることで、業務効率が向上することも。
イベントの開催や、社内食堂・ジムなど福利厚生施設の充実、懇親会の費用補助などで、社員同士が交流し、人間関係を築くサポートを行いましょう。

IT業界の離職率は今後どうなる?

日本の全体的な離職率は、今後上昇していく見込みです。
それは、少子高齢化の影響で労働人口自体が減少しているため。
しかしIT業界に限っては、今後の取り組み次第で離職率が低くなる可能性もあります。
先にお伝えした厚生労働省の調査でも、IT業界は入職率が退職率が上回り、労働人口が増えています。

IT業界は今後も需要が大幅に伸びていく業界で、働き方次第では女性・障害者・外国人・リタイヤ層など多様な人材も活躍できる仕事です。
他の企業に先んじて優秀な人材を獲得するためには、待遇や評価制度の見直し、新たな働き方の導入などで、幅広い人材が働きやすい環境を整備する必要があるでしょう。

まとめ

IT業界の離職率は、他の業界と比べると低めです。
しかし、企業によってばらつきが大きく、人手不足のIT企業が多数あることも事実。
せっかく入社した人材の離職を防ぐためには、採用方法の見直しや、社員の働きに見合った待遇や環境の整備が必須となります。
他社様が取り組まれている施策や、良い人材を確保する方法など詳しく知りたい方は
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