日本での就職は難しい!?外国人就活の実態

歴史的に見ても日本は島国ということもあり、独自の文化を育ててきました。つい最近まで鎖国していた日本。今年は開国をしてから164年になります。その中で様々な諸国との関わりを経て現在の日本になっています。特に昨今はグローバル化が声高に言われていますが、それに伴い外国の方が日本で働く機会も増えており、そこでの障壁も明るみに出始めています。例えばオーストラリア出身の方が、アメリカやイギリスなどで働く場合には言語による壁は少なく、障壁は低いと考えられます。しかし、日本の場合は日本語という言語を話し、世界中見ても日本語は、当たり前ですが、日本でしか話されていません。そのような日本で働きたい外国の方にとって、諸外国と比べ、日本での就職はどのように違うのでしょうか?

 

  • 外国人には難しい日本語
  • 日本流の「履歴書」「職務経歴書」が難しい
  • 就職活動の時期がわからない!
  • 大学での専攻と就職先での業務が関連していないと、就労ビザが得られない!
  • 外国人留学生はどうやって就職しているのか

 

外国人には難しい日本語

 

日本人は、外国語を勉強している時に主語、動詞の順番の違いなどの言語の使い方やアラビヤ文字やハングルなどの慣れない文字に苦戦することがあります。外国の方にも同じように当てはまり、日本語を学ぶとき、ほとんど場合が初めて学ぶことになります。日本語のニュアンス画数の多い文字に難しいと匙を投げる人は少なくなりません。他方、日本人は中学生の時からあれだけ時間をかけて英語を学んでいるのに、話せる人はほとんどいません。このように言語の習得とは一般的に考えても難しいものです。

 

また、日本語の書きに限ると、大きく3つの文字に分けることができます。漢字、ひらがな、カタカナです。3つの文字を使いこなす人種は、世界に見ても珍しい人種であり、世界一の人口をもつ中国であっても文字を扱うのは漢字のみです。

 

さらに文字の使い方を覚えても流行語や省略語、造語が常に現れるため、日本人でも上手に扱える人は多くはありません。しかもそこにローマ字なども入ってくる場合があります。ジェネレーションギャップなどが起きるのはこれが原因でもあります。日本人でも正しく使うことが難しい日本語は、外国人が難しいと感じるのは仕方がないことでしょう。

 

最近では、日本国内の大学でも全ての講義を英語で行う大学が増えていることもあり、日本語をほとんど知らずに留学する外国人も増えています。しかし、日本で働く、生活をしていくとなれば、ある一定の日本語能力は必要となるため、勉強するには越したことはありません

 

 

 

日本流の「履歴書」「職務経歴書」が難しい

 

日本の就職活動に欠かせない「履歴書」「職務経歴書」は、国によっては異なることをご存知でしょうか?

 

日本の履歴書は、生年月日、性別、顔写真、志望動機と様々な項目を事細かに埋めなければなりません。しかし、ここまで本人に関する情報を履歴書に書かなければならない国は、日本くらいしかありません。多国籍であるアメリカやオーストラリア、ニュージーランドなどでは、氏名や住所、電話番号など基本情報については、日本と同様に本人であるかを確認するための必須事項でありますが、顔写真や志望動機といった項目欄は省かれています

 

また、記入方法も日本とアメリカでは異なり、アメリカでは手書きの履歴書はご法度とされています。パソコンでの入力が基本とされているアメリカとは真反対に、日本では手書きで書かれた履歴書を好みます。最近では、応募者の負担軽減や見やすさもあって、パソコンを使用した履歴書を受け入れる企業が増えていますが、現状としてはまだまだ手書きの履歴書を求める企業は多いです。

 

 

就職活動の時期がわからない!

 

グローバルスタンダードでは新卒、中途問わず、通年で採用するということが当たり前になっています。しかし、日本では新卒の場合、就職活動期間というものが存在します。この期間は、企業を包括する経団連によって毎年時期が変わります。その場合、就職活動解禁まで約1〜2ヶ月前には、具体的な解禁日を発表します。2018年度の新卒者就職活動では、2017年3月から企業へのエントリーが可能となり、同年6月には面接を開始できる流れです。

 

以前には、解禁日が1月からスタートの年もあり、就職活動時期の変動は、企業だけでなく学生にも大きな負担となる場合があります。

 

日本で働きたい外国人留学生は、就職活動を始める前に解禁日の把握する必要があります。一括採用する新卒採用は、同上のスケジュールですが、外国人向けのスケジュールは現在設けられていません。ですので、日本人向けとされているスケジュールに沿って就職活動をしなければならないのが現状です。

 

また、転職者の場合では、一括採用を実施する新卒者向けとは異なり、特定の募集時期はなく、企業のホームページや転職サイトで掲載します。そこから見付け出し、自ら応募しなければなりません。

 

最近では、通年で人材を募集する企業も増えています。就職活動時期を乗り遅れた人も就職アドバイザーから企業を紹介する方法もありますが、就職活動前に希望する企業の動向を把握することで、備えがあれば憂いなしで、就職活動を成功しやすくなります

 

 

大学での専攻と就職先での業務が関連していないと、就労ビザが得られない!

 

外国人留学生が日本で就職するにあたっては「留学ビザ」もしくは「ワーキングホリデービザ」から「就労ビザ」への変更が必要です。もちろん、社会人の場合でも「就労ビザ」が要ります。

 

就労ビザは、さまざまな分野に分かれており、たとえば、高度専門職、法律、技術、人文知識、国際業務などがその一部です。高度専門職は、定められた高度人材ポイント制による評価をクリアしなければなりません。一般的なのが、「技術・人文知識・国際業務」就労ビザです。ほとんどの業務するビザがこちらに当たります。技術(ITエンジニア)人文知識(マーケティング、経営コンサルティング)国際業務(通訳・翻訳者、デザイナー、クリエーター、語学学校講師、貿易、広報、宣伝、商品開発)などがあります。

 

外国人留学生の採用を考える際に、重要なポイントとして知っておきたいのが、大学での専攻と就職先での業務内容に関連性が必要だということです。関連性がない場合、就労ビザへの変更ができず、つまりは、就労ビザがおりないということになりかねません。

 

 

外国人留学生はどうやって就職しているのか?

 

では、外国人留学生はどうやって就職活動を行なっているのかという点をチェックしてみましょう。

 

主要都市では、近年、外国人留学生向けの就活フェア企業説明会の開催が急激に増加傾向にあります。そういった外国人向けの就職イベントの情報収集は、就活サービス会社人材紹介会社を通じてという経路が一般的です。そのため、留学生を含めた外国人の多くが、外国人にも対応した就職支援機関人材紹介会社に登録しているようです。

 

特に、言葉や習慣の壁の厚さやビザなどの法的な部分は、日本で就職したいと思っている外国人にとって大きな心配ごととなります。また、母国とはまったくと言っていいほど異なる、日本特有の採用選考フローやスタイルに戸惑ってしまう外国人は少なくありません。そのようなことからも人材紹介会社の支援やフォローは活用度が高いと認識されているようです。初めて日本で就職する外国の方は人材紹介リファラル既に日本で就業経験のある方は転職サイトという構図が出来上がりつつあります。

このように、媒体やカテゴリーが異なったとしても、日本人求職者と同じような就職活動が浸透しつつあるようです。求職者としては「外国人だから探しにくい」、企業としては「探しているけどリーチが難しい」という問題点を、人材紹介会社留学生向けのフェア説明会の実施もひとつの解決となっているのです。

 

 

まとめ

日本での就職活動は、日本人でも選考フローや書類の書き方など、こんなにも大変かと悩むことがあります。外国人となれば、より大変ではありますが、日本で働く限り一つの壁を乗り越えると思えばその後は簡単です。

日本語を覚える苦労も、履歴書の項目の多さも何度も経験することで自然とできるようになります。一つ一つをこなすうちに、難しいと思えたことも簡単と思える時期がいずれか訪れます。そのためにも日本の就職活動で働けるように準備を怠らず、臨機応変に対応することが日本で働けるポイントかもしれません。企業側としてもより優秀な外国人人材はどこにいるかに注目をし、人材紹介転職フェアに参加してみるのも良いかもしれません。

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