Withコロナでの外国人採用問題とは?その現状と成功のためにできること

新型コロナウイルスの流行は、日本に在留する外国人留学生の就活にも影響を及ぼしています。
また、海外からの渡航が制限されていることにより、海外の外国人人材の入国も難しい状況です。

今回は、コロナ禍の中での外国人採用の現状や、Withコロナ時代の外国人採用に関わる課題について解説。

コロナ禍の中でも、採用を成功させる方法についてお伝えしていきます。

Withコロナー在留外国人の現状と採用

留学生向け就職支援サイト「リュウカツ」の調査では、日本に在留している外国人留学生のうち、新型コロナウイルスの流行が「就活に影響あり」と答えたのは88.6%
求人数の減少や、感染防止のための新システム導入に伴う採用活動の遅延などにより、例年よりも就活に苦労している留学生が多いようです。

特に、会社訪問や説明会などで企業と関わる機会が減り、十分な情報を得られないことに不安を感じている留学生が多いという結果になりました。

参照:https://ryugakusei.com/news/974/

一方、求職者側が就活に苦労している現状は、採用側から見るとチャンスともいえます。
なかなか仕事が見つからないコロナ禍の中では、ハイスペックな外国人人材も就職先のハードルを下げざるをえません

そのため、地方の会社や中小企業も、普段は獲得できないような優秀な人材を採用できる可能性があります。

Withコロナー外国人採用の問題点

外国人採用には、制度などの面で日本人人材の採用とは違う点があります。
また、コロナ禍の中では外国人の来日や就労に、様々な制限が課せられています。

ここでは、Withコロナ時代に企業が乗り越えるべき、外国人採用に関わる課題について解説していきます。

①入国制限

2021年2月5日現在、「上陸拒否対象国・地域」に指定されている国・地域からの入国は、特段の事情がない限りできません
また、日本に入国する場合には、全ての国・地域から入国する全ての人(帰国する日本人含む)に、以下のことが義務付けられています。

    • 出国前72時間以内の検査証明を取得すること

 

    • 入国(検体採取日)の次の日から起算して14日間待機する滞在場所を確保すること

 

    • 到着する空港等から、その滞在場所まで公共通機関を使用せずに移動する手段を確保すること

 

    • 入国後に待機する滞在場所と、空港等から移動する手段を検疫所に登録すること

 

    • 新型コロナウイルスの検査を受けること

 

    • 検査結果が出るまで、原則、空港内のスペース又は検疫所が指定した施設等で待機すること

 

    • 入国時に、上記の行動を守るという誓約書を提出すること

 

 

また、イギリス南アフリカからの入国者は、上記の対応に加えて、検疫所が確保する宿泊施設等で入国後3日間の待機と、3日目・6日目の検査義務付けられています。
ただし、これらの対応は随時変わっていくため、最新の情報に関しては厚生労働省の発表などをご覧ください。

※参照:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/covid19_qa_kanrenkigyou_00001.html

②業績悪化による採用縮小

株式会社ディスコ2020年7月に実施した調査では、外国人留学生の内定率31.5%
前年同時期の内定率は40.6%なので、10%近く下降しています。
一方、日本人学生の内定率77.7%と、外国人留学生の倍以上。

新型コロナウイルスの影響で、多くの企業が採用数を縮小していることに伴い、外国人よりも優先的に日本人学生を採用していると考えられます。

参照:https://www.disc.co.jp/wp/wp-content/uploads/2020/08/fs_2020-08_chosa.pdf

③接点・情報不足

新型コロナウイルスの影響で、人が集まるイベントの開催が難しくなりました。
また、学校等も休校になったり、キャンパス内に立ち入れない状況になっているケースが多いです。
そのため外国人留学生は、企業説明会や学校の就職センターなどを通じて日本企業の情報を知るのが難しい状況。

企業研究ができずに応募先を絞れないほか、最新の採用スケジュール等も掴みにくく、コロナ禍の中では企業と外国人人材の接点や情報不足が外国人採用の課題となっています。

④技能実習生の処置

技能実習生特定技能ビザでの入国に関しては、各国の感染状況によっては長期的に入国ができない可能性があります。
また、通常の受入れが可能になった場合も、一斉に入出国許可申請が開始されると手続きに時間がかかることが予想できます。

一方、既に技能実習生を雇用しているものの、新型コロナウイルスの影響でやむをえず休業させることもあるかと思います。
ただしこの場合、雇用調整助成金の利用には注意が必要です。
技能実習生は、あくまでも労働ではなく技能の習得を目的として来日しているので、休業させて技能の習得ができないと不正行為に該当する可能性があるためです。

しかし、雇用保険の被保険者期間6ヶ月以上の場合は、雇用調整助成金・中小企業緊急雇用安定助成金の支給対象労働者となります。
技能実習生を休業させる必要が出てきた場合には、速やかに管理団体に連絡しましょう。

コロナ禍で優秀な外国人を採用するには

それでは、コロナ禍の中で優秀な外国人を採用するためのポイントについて解説していきます。

募集方法を工夫

外国人採用に慣れていない企業では、そもそもどのように募集すればいいかわからないケースも多いでしょう。
外国人採用には、以下のような募集方法があります。

紹介による採用

まず一つ目は、紹介サービスを利用して採用する方法です。
外国人専門の人材紹介サービスを利用すれば、自社のニーズに合い、ビザ等の条件も確認済みの外国人人材をスムーズに採用できます。

デメリットとしては、大量採用を行う場合は費用が嵩むことが挙げられるため、ピンポイントで優秀な人材を早期採用したい企業におすすめです。

また、すでに社内に外国人社員がいる場合には、知人等を紹介してもらう「リファラル採用」も一つの方法です。
リファラル採用について詳しく知りたい方はこちらもご覧ください。

教育・公的機関の活用

外国人が多く通う日本語学校や、大学などの教育機関に募集を出すのも効果的です。
新卒採用となるので、経験者の募集には向いていませんが、若くポテンシャルの高い外国人人材の採用が可能です。

また、ハローワークの外国人版である「外国人雇用サービスセンター」でも外国人人材を募集できます。
教育・公的機関を活用した外国人採用は、コストを抑えたい場合やまとまった人数を採用したい場合に適しています。

オンラインでの採用活動

自社ホームページや採用サイト、SNSなど、オンラインでの採用活動は、外国人人材に広くアピールできる方法です。
特定の国や地域の人材をターゲットにしたい場合には、その国の言葉でサイトや広告を作成すると目に留まりやすいでしょう。

間口が広いため、マッチング度が低くなる可能性もありますが、あまり費用をかけずに外国人人材を募集できます。

面接方法を工夫

コロナ禍の中では、面接方法にも工夫をする必要があります。

WEB面接の活用

WEB面接を導入すると、人同士の接触を減らせるため新型コロナウイルスの感染拡大防止に繋がります。
また、採用側・求職者側ともに自宅にいても面接できるためスケジュールを合わせやすく、選考フローを短縮できます。

最終的には直接会って面接をする場合でも、1次・2次面接にはすでにWEB面接を取り入れている企業も多いです。

WEB面接の注意点

WEB面接では、直接顔を合わせることがないため以下のような点に注意が必要です。

    • 通信環境によるラグ・トラブル

 

    • ライティングや背景

 

    • 心理的な距離感

 

    • 言葉・表情の伝わりにくさ

 

 

特に、日本語が母語ではない外国人採用の場合は、ラグや距離感があっても伝わりやすいよう、ゆっくりはっきりとわかりやすい言葉遣いを心がけて面接を行いましょう。

外国人採用に強い就職エージェント

コロナ禍の中でスムーズに外国人採用を行うには、外国人採用に強い就職エージェントの利用がおすすめです。

IT人材に特化した「JELLYFISH」

JELLYFISHは、外国人人材の中でもエンジニアの紹介に強みを持つ人材紹介サービスです。
48カ国・20,000人以上の登録人材を保有していて、その71%35歳以下
また、日本語能力試験N1~N3を保有している人材が多く所属しているため、若く日本語力の高い外国人材を採用することができます。

さらに、採用前から採用後にわたって、バイリンガルコンサルタントが外国人材をしっかりサポート。
社内の工数を減らして、外国人採用が可能です。

効率的な採用を実現「Bridgers」

Bridgersは、国内の外国人だけではなく、海外にいる外国人を雇用することができる外国人人材紹介サービスです。

現地で採用面接会を開き、呼び寄せて雇用することができるので、他の人材紹介サービスでは出会えない人材に出会うことができます。
海外から、複数の人材をまとめて採用したい企業におすすめのエージェントです。

外国人採用をサポートする相談窓口

外国人採用について疑問や相談がある時には、厚生労働省が運営する「外国人雇用管理アドバイザー」への相談がおすすめ。

また、実際に外国人人材の募集を始めたい場合には、同じく厚生労働省管轄の「外国人雇用サービスセンター」が利用できます。
外国人採用に興味がある採用担当者の方は、まずは公的な窓口への相談から始めてみてはいかがでしょうか。

まとめ

コロナ禍の中で、外国人の求職者は厳しい状況に立たされています。
一方、採用側にとっては、コロナ禍は優秀な人材を獲得できるチャンスです。

外国人採用の実施は、仕事を探している外国人にとっても、人材不足に悩む企業にとってもメリットがあります。
Withコロナ時代の新たな選択肢として、ぜひ外国人採用を視野に入れてみてください。

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