新型コロナウイルス感染拡大の影響で、オンライン採用を実施する企業が急増しています。
オンライン採用には、時間や交通費の節約といった応募者側のメリットが多く、また遠方の候補者とも気軽に面談できるので、今後も導入する企業は増えていくでしょう。
今回は、オンライン採用活動のメリットとデメリットと、デメリットの改善方法、オンライン採用におすすめのツールをご紹介します。
この記事の目次
急増!オンラインでの採用活動
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、オンラインで採用活動を行う企業が急増しています。
ビズリーチが2020年4月に実施した調査では、アンケートに参加した企業の71%が「オンライン採用に対応している」または「オンライン採用を検討中」と回答。
そのうち、64%の企業が本格的にオンライン採用を開始したのは2020年2月以降で、やはり新型コロナウイルスへの感染予防のため、対面接触を減らすのが目的という企業が多いです。
調査当時より、新型コロナウイルスの流行が長期化する見込みが強くなった現在(2020年6月)では、年間計画への遅延を防ぐため、さらに多くの企業が採用のオンライン化を進めていると考えられます。
参照元:7割「採用活動のオンライン化」に対応/検討中うち6割以上、遠方の候補者との接点拡大など「メリットがある」と回答
オンラインで採用活動を行うメリット
先にご紹介したビズリーチの調査では、全体の66%の企業が「オンライン採用はメリットの方が大きい」と回答しています。
そのメリットとは具体的にどんなものなのか、解説していきます。
応募者の金銭的・時間的負担を減らせる
参加者の金銭的・時間的負担を減らし、気軽に会社説明会に参加してもらえることが、オンライン化の1つ目のメリットです。
オンライン採用を導入している企業では、まず「会社説明会」からオンライン化している会社が多いです。
説明会に参加するには、参加者は自費で交通費をまかない、会場まで電車などで移動しなければいけません。
自宅から気軽に説明会に参加できるため、「お金や時間をかけて参加するのは難しい」という求職者にも、広く会社をアピールすることが可能です。
また、面接に進んだ応募者にとっても、オンライン面接を導入すれば毎回の面接でかかる交通費・移動時間を節約できるというメリットがあります。
遠方・外国の良い人材を獲得できる
対面で会社説明会や面接を実施する場合、遠方や外国にいる求職者はそもそも参加できず、潜在的な求職者を逃していました。
オンライン面接なら、実際の距離は関係なく、良い人材に出会うことができます。
これは、まだ来日していない外国人人材とも面接ができるなど、外国人採用にもメリットが大きいです。
スピーディーに選考を進められる
オンライン面接なら、移動時間を考慮しなくていいため、企業側・求職者側ともに面接などの日程調整がしやすいです。
次の面接まで都合が合わず、何週間も空いてしまうということがなく、選考プロセスをコンパクトにすることができます。
スピーディーに選考を行えば、他者にいい人材を横取りされることが減るということもメリットです。
候補者の管理がしやすい
オンライン面接であれば、面接内容を録画して、採用担当者同士で共有することができます。
対面だと記録が残らないので、担当者ごとに評価にばらつきが出るリスクがありますし、違う面接官が面接した候補者同士を比較することができません。
面接をオンライン化することで応募者を一元管理でき、より良い候補者を採用することができるのです。
オンライン採用のデメリット・今後の課題
オンライン採用はメリットばかりではありません。
デメリット面も考慮した上で、適切にオンライン採用を導入していきましょう。
会社の雰囲気を伝えにくい
採用プロセスを全てオンライン化してしまうと、いざ入社した後に「イメージと違った」というミスマッチが起こりかねません。
応募者が実際に会社に足を運ぶ機会がないと、会社の雰囲気を感じてもらうことができません。
応募者にとっては、面接会場までに通るエントランスや廊下の雰囲気、受付やすれ違う社員の対応なども、会社が自分に合っているか判断するためのヒントとなります。
応募者の全体像を把握しにくい
オンライン面接だと、対面の面接よりどうしても伝わる情報量が少なくなります。
例えば、候補者が画面に映らない部分で足を組んでいたり、手を落ち着きなく動かしていたりしても、面接官からは見えないのです。
また、画面上の映りと、実際に会った時では意外に印象が違うということもありますので、面接は全てオンラインではなく、一度は実際に顔を合わせておいた方が良いでしょう。
システム等トラブルのリスク
オンライン面接は、接続状態によってはラグが発生したり、音声や映像が途切れてしまったりすることがあります。
そのせいで質問や回答がうまく伝わらないリスクは、オンライン採用ならではのデメリットです。
オンライン採用を行う際は、事前に自社と候補者のネット環境を確認し、もしトラブルが起きた場合の対応も考えておきましょう。
オンラインで採用を成功させる3つのコツ
それでは、デメリットを改善し、オンライン採用を成功させるための3つのコツをご紹介していきます。
適切なツールを使用する
オンライン面接やオンライン説明会には、主にビデオチャットツールを使用します。
採用活動の中では、会社の業務情報や候補者のプライバシー情報も扱うため、まずセキュリティが優れていることが大事。
最大接続人数が適切かどうかや、参加者側のアカウント登録が必要かどうかも、ツールを選ぶ基準となります。
用途に合っていないツールだと、告知した日時に面接や説明会が実施できないリスクもあるので、使用するビデオチャットツールはしっかり選びましょう。
会社の雰囲気を伝える努力をする
オンライン面接や説明会では、実際に会社に来られない候補者のために、自社の雰囲気を伝える努力をする必要があります。
普段社員が仕事をしているオフィスを背景にする、自社製品が写るようにするなどをすることで、雰囲気が伝わりやすいでしょう。
また、参加者からリクエストを募集して、社内で見たい場所をツアーで巡ったり、話を聞いてみたい社員にインタビューを行ったりするのもおすすめです。
コミュニケーション方法を工夫する
オンライン採用では、実際に対面するときよりも丁寧なコミュニケーションを心がけましょう。
ビデオチャットで入ってしまうノイズや遅延も考慮して、ゆっくり大きな声で話すのがおすすめです。
また、画面越しだと心理的な距離も生まれてしまうので、面接の始めにしっかりアイスブレイクを設けて緊張をほぐすのも大切です。
オンラインでの採用活動におすすめのツール
オンライン採用に使うツールは、会社側と候補者側で同じものを使うため、誰でも使いやすいサービスを選ぶのがおすすめです。
オンライン採用におすすめのビデオチャットツールと、その特徴は以下の通りです。
・ZOOM:インストール不要で、100人までの同時接続が可能
・Skype:知名度が高く、アカウントを持っている人が多い
・Meet Now:Skypeと同じ使用感で使えて、アカウント登録が不要
・Googleハングアウト:Googleアカウントを持っている人なら無料、10人まで接続可能
オンライン説明会など大規模なビデオチャットには、100人まで同時接続できるZOOMがおすすめです。
ただし、セキュリティが不安という声も上がっているため、社外秘情報や候補者のプライバシー情報を扱うのは避けましょう。
Skype・Googleハングアウトはアカウント登録が必要なので、候補者がどちらのアカウントを持っているかで使用ツールを分けるのがおすすめです。
Meet Nowは、知名度は低いですが、アカウント登録不要でSkypeと同じように使えるおすすめツールです。
まとめ
オンライン採用は、2020年4月の時点で7割以上の企業が導入、または導入を検討しています。
感染症予防になるのはもちろん、交通費や時間の節約になるなどメリットが多いので、今後も導入する企業は増えていくでしょう。
反面、オンラインならではのデメリットもあるため、各会社がデメリットの解消方法を考え、適切に実施していくのが大切です。