採用単価は、低いほど効率的な採用ができているという指標になります。
エンジニアは需要が高騰していて、採用単価が高い職種の一つ。
今回は、具体的なエンジニアの採用単価の平均や、採用手法ごとの採用単価についてお伝えします。
エンジニアの採用コスト削減に繋がるポイントについても解説しますので、ぜひ最後までお読みください。
この記事の目次
エンジニアの採用単価とは
まずは、採用単価の基本知識と、エンジニアの採用単価について解説していきます。
採用単価とは?
採用単価とは、社員やアルバイトを1人雇用するためにかかった費用のことです。
計算方法は、
例えば、採用コストの総額が500万円で、5人採用していれば採用単価は100万円、10人採用なら採用単価は50万円ということになります。
採用単価が低いほど効率的な採用ができたということになり、コスト削減について考えるときには採用コスト総額よりも採用単価に注目することが多いです。
他業種と比較したエンジニアの採用単価
マイナビが2020年に実施した調査によると、中途採用の平均採用単価は約78万円。
業種別に見ると、最も高いのが「保育・教育・通訳」で83.9万円、次に高いのが「ITエンジニア」の63.9万円となっています。
また、実際にかかった採用コスト総額は、平均が146.1万円のところ、IT・通信・インターネット業界は323.4万円と倍以上の数字。
他の業界では200万円を超えているところはなく、エンジニアの採用には飛び抜けて高い費用がかかっています。
参照:https://www.mynavi.jp/wp-content/uploads/2020/03/プレスリリース.pdf
なぜエンジニアの採用単価は高いのか
エンジニアの採用単価が高い理由は、需要が上がっていて求人倍率が高いため。
エンジニアの有効求人倍率は、5倍を超えている状況です。
人材獲得の競争率が高いため、様々な媒体に広告を掲出したり、掲出期間が長くなったりして、採用単価が上がっています。
採用方法で変わる!エンジニアの採用単価
それでは、採用方法ごとのエンジニアの採用単価について、詳しく見ていきましょう。
求人媒体を利用する場合
マイナビが実施した2020年の調査では、ITエンジニア採用1人あたりにかかった求人広告費は、63.9万円。
また、前年に比べて求人広告費が増えたと回答している企業は44.4%、逆に減ったと回答しているのは9.4%でした。
求人媒体を利用したエンジニアの採用単価は、年々上昇していることがわかります。
参照:https://www.mynavi.jp/wp-content/uploads/2020/03/プレスリリース.pdf
エージェントを利用する場合
同調査によると、IT・通信・インターネット業界のエージェント(人材紹介)利用費の平均は335.2万円。
採用単価は調査されていませんが、仮に人材紹介会社を利用した採用人数の全業種平均である3.1人で割ると、108.1万円となります。
エージェントを利用した採用は、ピンポイントでマッチ度の高い人材を紹介してくれるため効率がいいですが、採用単価は高くなりがちです。
リファラル採用・ダイレクトリクルーティングの場合
先の調査では、IT・通信・インターネット業界でリファラル採用を導入している会社は20.5%、ダイレクトリクルーティングを行っている会社は15.1%となっています。
リファラル採用の場合、かかるコストは人材を紹介してくれた社員に支払うインセンティブのみで、10万円程度が一般的です。
ダイレクトリクルーティングの場合、利用するプラットフォームによって費用が変わってきますが、求人媒体やエージェントを利用するよりは単価は安くなるでしょう。
リファラル採用・ダイレクトリクルーティングそれぞれについてもっと詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。
外国人エンジニアの採用費は?
外国人エンジニアの採用費は、採用した人材の年収の30〜35%くらいが相場です。
年収500万円の人材の場合、150〜175万円くらいになります。
外国人エンジニアを採用するメリットは、国内の人材不足を回避して、優秀な人材を獲得できる可能性が高いこと。
また、技術力は日本人と変わらず、ハングリー精神が旺盛でモチベーションが高い人材が多いことも特徴です。
ただし、日本人エンジニアとは違い、ビザの手続きや文化の違いといった注意点も。
また、外国人人材はどこで募集すればいいのかわからないという人事担当者の方もいるでしょう。
そこでおすすめなのが、外国人エンジニアの紹介サービスを利用すること。
「JELLYFISH」は、エンジニアを中心に48ヶ国20,000人の登録者を保有しています。
35歳以下・日本語が堪能な人材も多く、ポテンシャルの高い外国人エンジニアの採用が可能です。
無料のビザ申請サポートや、バイリンガルコンサルタントによる外国人のサポートも提供していて、初めて外国人を採用する会社の不安を払拭します。
エンジニアの採用単価を抑える3つのポイント
最後に、エンジニアの採用単価を抑えるためのポイントについて解説します。
①採用計画を見直す
しっかりとした採用計画がないと、採用基準が曖昧になって無駄なコストがかかってしまいます。
コスト削減は、求める人材のペルソナや、利用する採用手法などの見直しから始めましょう。
明確なペルソナの作成
IT人材は求人倍率が高く、漠然と「いい人材が欲しい」という意識では的確な採用ができません。
求人広告を出す前に課題設定を行い、どんなスキルを持った人材が必要なのか、要件を明らかにしましょう。
また、重要な要件以外は条件を緩和することで、出会える人材の幅を広げることができます。
募集要項・求人広告の見直し
募集要項や求人広告は、採用したい人材層が魅力を感じる内容にする必要があります。
給与や休日などの条件が良ければ応募が増えるのはもちろんですが、テレワークやフレックスタイム制、副業可など、自由な働き方に魅力を感じるエンジニアは多いです。
また、長時間労働を忌避するエンジニアも多いため、1日の仕事の流れを求人ページに掲載するのもトレンドになっています。
採用にかかる工程・期間を短縮する
採用にかかる工程・期間を短縮すれば、広告掲出費や人件費などのコストが削減できます。
面接回数が多すぎるなら減らしたり、応募者の管理システムの導入、応募者との連絡方法の変更など、見直せるポイントは会社によって様々です。
また、採用業務を社外に委託する「RPO」を利用する企業も増えています。
採用代行についてより詳しく知りたい方は以下のページをご覧ください。
②社員を定着させる
内定を出したり、採用した社員が長く会社に定着すれば、その穴埋めのための採用コストを削減することができます。
福利厚生の充実やキャリアパスの明確化、ハラスメント対策など、内定辞退や離職の理由を分析して対策に努めましょう。
③採用方法を広げる
エンジニアに限らず、これまで採用には求人サイトをメインに使っている企業が大多数でした。
しかし求人サイトを使った採用では、大手ばかりに注目が集まったり、広告料が嵩んだりと、特に中小企業にとってはデメリットが多いです。
先にお伝えしたリファラル採用やダイレクトリクルーティングで、欲しい人材にピンポイントにアプローチすると、規模の小さい会社でも求職者の興味を惹くことができます。
また、正社員雇用にこだわらずフリーランスエンジニアに業務委託をしたり、採用業務自体を外注(RPO)してしまうのも一つの方法です。
まとめ
需要が増加しているエンジニアの採用単価は、他業種に比べて高くなっています。
コストを抑えつつ、優秀な人材を採用するためには、外国人エンジニアに目を向けるなど、これまでの採用手法に変化を加える必要があるでしょう。