先日、【気になるお隣の国;中国の就職事情】を投稿しました。中国のさることながら、アジアではさらにアツイ国があります。それがベトナムです。
1986年に採択された市場経済システムの導入と対外開放化を柱としている【ドイモイ】政策により経済は順調に伸びています。様々な国際協定や貿易関連の会議に参加し、その存在感を強めています。日本にとって最大の援助国でもあり、今後の関わりは一層強くなり、さらに国際社会での影響力は増していくでしょう。
また、日本に来る留学生や技能実習生も毎年40%ずつ増加し、日本でもベトナム国籍の方を見ることが多くなってきました。特にベトナムの大学を出てそのまま日本の日本語学校に留学したり、ベトナムの高校卒業後、そのまま日本の大学に進学する、いわゆる新卒の方が増えてきています。
そこで今回は今アジアで一番アツイ国と言っても過言ではない国ベトナムの就職事情についてです。
ベトナムの就職状況を知ると東南アジア諸国の情勢も理解できます。
まだ外国人を採用したことのない企業にとってベトナム国籍の方が日本人と気質が似ていたりするためおすすめです。
今一番注目されている国:ベトナムの就職事情
- ベトナムの大学新卒者の就職状況
- ベトナムの転職理由
- 日本に来る理由
をまとめてみました。
ベトナムの大学新卒者の就職状況
ベトナムでは、日本と同じように学歴社会というものがある程度存在します。しかし、日本ほど旧帝大が良い、早慶出身でないと、という傾向はあまりありません。一方で、理系だとホーチミン市工科大学やハノイ工科大学、ホーチミン市自然科学大学、建設大学。文系だと貿易大学やハノイ大学、ホーチミン市人文社会科学大学、ホーチミン市師範大学、ホーチミン市経済大学などはいわゆる名門と呼ばれ、就職のしやすい状況ではあります。ベトナム国内の企業からも上記の大学から出身の方は頭が多く、対応能力が高いと評価されているため、採用をしたいという状況でもあります。
その背景として上記の大学には就職に強い体制やカリキュラムがあります。また国立の大学であるため、大学施設や先生に対して厳しい選考を行なっています。そのため、入学する学生も優秀な人のみを募集しています。その背景は日本の東京大学などに近いです。それに加え、海外の学校と連携するなどのプログラムも多く、教育の環境が整っており、豊富です。学生は海外でのプログラムを履修できるチャンスが多く、大手企業でインターンするチャンスもあるので、卒業後、即戦力になることができます。さらに国内だけでなく、海外でも活躍できるような人材になる卒業生も多く、そのため日本に来る人も多いのです。
上記の名門大学を卒業するとレベルがかなり高いと評価され、就職しやすい状況です。学歴によって左右される傾向ではありますが、学生時代の勉強や郊外活動などで得たスキルが重視されて、名門でなくとも平等に採用をする場合があります。
現在、ベトナムでは大学の数が増加しており、学生が増えているため、競争率が高くなる、売り手市場になっています。専門的な職種、職業に関しては、そこで活躍できるスキルや人材ではないと就職しにくくなるという状況もあります。
ベトナム現地の転職理由
ベトナムでは新卒から1〜3年で仕事を辞めてしまう人が多いです。日本ではいわゆる第二新卒での転職は最近になってメジャーになりつつあるものの、未だプラスのイメージではありません。しかし、ベトナムでは転職は当たり前に存在しています。
転職をする理由としてはおよそ5割が給料(その仕事に給与が見合っているか)、3割がキャリアアップ(前向きに今後のキャリアを考えたため)、2割がその他という内訳になっています。
新卒者が転職をする理由としてはまだ自分のキャリアがまだ定めていない状況が多く社会人になり実際に働いてみると、労働市場を俯瞰や体験することができるので、自分の将来が明確に想像でき、転職したいきっかけになることが多いです。
また、やはり転職理由として多いのは昇進などのキャリアアップが見えないためです。
転職を希望する職種としては小売 (32.2%)、不動産(18.8%)、卸売り(17.3%)、商売 (11.9%)、化学に関する職業 (9.9%)、エネルギー・石油業(5.3%)となっています。
日本に来る理由
ベトナムの方が日本に仕事をしに来る理由として一番多いのが、日本の発達した技術や文化を憧れ、日本で暮らして、仕事したいというのが多いです。ベトナムの方にとっては日本がテクノロジーの発展した国というイメージが強いためです。他にも母国ベトナムで日本語を勉強したため、そこから日本に興味を持ったり、日本語が話せるからそれを活かした仕事に就きたいと考え、日本での就業を希望する人も少なくありません。
さらにベトナムの日系企業で実際に働き、日本のビジネスマナーや日本人の働き方を学び、スキルだけでなく、日本語も上達できるような仕事に就きたいと考える人もいます。
特に下記の仕事の人気が高いです。
希望度の高い職種
- 営業、貿易、マーケティング
- 事務系、IT系
- 製造、技術、建築
希望度の高い業界
- IT
- 製造
- サービス (飲食以外)
特に就きたい仕事としては日本とベトナムのかけ橋のようなポジションで貢献できる通訳、翻訳やブリッジエンジニアなどです。
ベトナムの方に総じて言えるのは貢献度とキャリアアップをいかに重視しているかということです。
ベトナムの方は昇級やキャリアアップを強く望む傾向があるということがわかります。ベトナム国籍の方を雇用する際には、きちんとした昇級プランやキャリアプランを提示し、長く働いてもらえるように注意が必要です。
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