SE(システムエンジニア)をはじめとしたITエンジニアの人口は、現在国内で約30万人不足していると言われています。
その中で、自社とマッチング度の高い優秀なSEを採用するのは至難の技です。
今回は、SEの採用が難しくなっている背景と、それを打開する採用テクニックをお伝えします。
SEの獲得に課題を感じている採用担当者の方は、ぜひ参考にしてみてください。
この記事の目次
SE採用が難しい理由とは
SE(システムエンジニア)の有効求人倍率は、コロナ禍の中でも下がることがなく、採用が難しい状況が続いています。
まずは、なぜSEの採用が難しいのか、その理由について知っていきましょう。
そもそも人材が少ない
少子高齢化の影響により、日本全体で人材不足が問題になっています。
SEを含むITエンジニアは、2019年から退職者数が入職社数を上回り、そもそも人材自体が少なくなっているのです。
IT技術の進歩により必要なSEの人数は多くなっていて、需要と供給が反比例することで倍率が高騰し、採用が難しくなっているのです。
待遇面で条件が合わない
SEは、専門技術が不可欠な専門職です。
優れた技術を持つSEは。技術に見合う良い待遇を求めています。
資金に余裕のない中小企業やベンチャー企業は、人材が求めているほどの待遇を提供することができず、優秀な人材は大手に流れてしまいがちです。
しかし、大人数の採用が難しい中小企業こそ、一人でなんでもこなせる優秀なSEが必要だというミスマッチがあります。
待遇と人材の質を擦り合わせて採用することが難しくなっているのです。
ミスマッチが起こりがち
SEの採用では、応募が来たものの自社のニーズに合わなかった、あるいは採用したもののすぐに離職されてしまったというミスマッチが起こりがち。
そのミスマッチが起こる理由には、以下のことが考えられます。
- 部署が求める人材を把握できていない
- 求めるスペックが高すぎる
- 面接官に知識がない
①部署が求める人材を把握できていない
SEと一言で言っても、プログラミングできるかどうか、プロジェクト管理の経験はあるかどうかといった、スキルや経験は人それぞれです。
また、仕事内容や部署の周りのメンバーによって、現在のスキル重視か、今後のポテンシャル重視か、あるいは周りをまとめていくコミュニケーション能力重視かといった、人材選びのポイントは異なります。
これらのポイントを絞り切れていないと、せっかく採用しても人材を活用しきれず、本人もモチベーションを保てなくなり早期離職が起こってしまいがちなのです。
②求めるスペックが高すぎる
先の項目とも関連しますが、優秀なSEにはそれなりの待遇を提供しないと、自社を選んでもらえません。
また、若く、スキルや経験が豊富でコミュニケーション能力もあるような、いわゆる完璧な人材はそもそも見つけにくいです。
求人に応募が集まらない企業や、選考を進めるうちに先方からお断りされることが多い企業は、求めるスペックと待遇のバランスを見直す必要があるでしょう。
③面接官に知識がない
人事担当者は、SEの専門技術について知識がない人も多いです。
人事担当者だけで要件の設定や選考を行うと、部署のニーズからずれた人材を採用してしまうこともあります。
また、知識のない人が採用活動を行っていると、求職者にそれを見抜かれてしまい、現場に理解のない会社だと思われてしまいかねません。
優秀なSE採用を成功させる4つの方法
ここからは、上記の問題点を踏まえて、SE採用を成功させるコツをお伝えします。
- 社内のエンジニアに協力してもらう
- ペルソナを明確に設定する
- 採用方法・採用ページを見直す
- 採用条件の緩和
①社内のエンジニアに協力してもらう
要件の設定や選考には、社内のエンジニアに関わってもらいましょう。
実際に現場で働いているエンジニアの方が、SEが求める待遇の条件や、配属後に必要になるスキル
周りの社員との相性などについてよく理解しています。
また、面接にもエンジニアに参加してもらえば、求職者側も仕事について具体的な話を聞くことができ、入社後のイメージを掴みやすいです。
もっともリスクが大きい採用失敗のパターンは、入社後に早期離職が起こってしまうことなので、
選考過程で出来る限りミスマッチを減らすのが重要なのです。
②ペルソナを明確に設定する
求人を出す前の準備として、自社が必要としているスキルや、定着している人材の特徴を洗い出し、明確にペルソナを設定することも重要です。
漠然と「優秀な人材が欲しい」という意識ではなく、「絶対に必要な条件」「できればクリアしてほしい条件」「今回の採用では無視できる条件」などを
細かく定めましょう。
ペルソナを明確に定めることで、人材のどこを重点的に見るかも明確化され、選考がスピーディーになるという利点もあります。
③採用方法・採用ページを見直す
採用方法や採用ページを見直すことで、求職者の注目を集めることができ、母集団形成に役立ちます。
さまざまな採用方法を活用
従来は、サイトに求人広告を掲載して応募を待つという採用手法が主流でしたが、人材不足の現在は、そのような「待ちの姿勢」だけでは応募が集まりにくくなっています。
企業側が主体的に求職者にアプローチできる、新たな採用方法を検討してみましょう。
例えば、SNSを通じて企業のPRや採用活動を行えば、求人サイト登録者以外にもアピールすることができ、ユーザーと相互コミュニケーションを取ることもできます。
また、社内のSEに紹介を依頼するリファラル採用や、条件に合う人材をピンポイントで紹介してくれるエージェントも、新たな採用手法の選択肢です。
エンジニアが惹かれる「採用ページ」とは
採用ページは、ほとんどの求職者の応募のきっかけとなる窓口なので、内容を充実させるのが重要です。
定めたペルソナが魅力を感じるデザインやコンテンツを調査し、興味を惹けるページを作りましょう。
入社後のイメージを明確に思い描けるような、先輩社員のインタビューや、1日の仕事の流れを詳しく掲載したコンテンツがトレンドになっています。
また、SEはものづくりの専門家なので、サイト作成に使う技術にもこだわり、クオリティを重視することも大切です。
④採用条件の緩和
採用条件を緩和することで、応募の間口が広がります。
ペルソナを精査する中でいらなくなった条件があれば、思い切って撤廃してみましょう。
育成枠・ベテラン枠を考慮
年齢や経験は応募の足切り要件となり、応募者が減る原因になります。
社内で教育していく余裕があれば、未経験でも年齢重視で若い人材を採用することで、自社に長く定着する社員を育てられます。
逆に教育する余裕がなく即戦力が必要なシーンなら、経験重視でベテラン枠を採用することにより、他社では年齢で足切りされてしまう優秀な人材を獲得することが可能です。
柔軟な働き方を考慮
技術次第でどこでも活躍できるSEは、「1つの会社で正社員として定年まで勤め上げる」という従来の働き方から離れている人も多いです。
業務委託や副業、ダブルワークといった働き方を取り入れている会社は、フリーのSEや将来的に独立を視野に入れているSE志望者にとって魅力的でしょう。
また、産休・育休の拡大や時短勤務、リモートワーク、フレックスタイム制などを取り入れると、病気・子育て・介護などでフルタイム出勤が難しい人材も獲得可能です。
外国人人材・フリーランス・中途採用・リモートワーカー
日本人・正社員・新卒・出社必須という固定観念から離れることで、他社の採用競争からも離れて優秀な人材を獲得できる可能性があります。
海外の人材や地方の人材、第二新卒や中途人材にも目を向けてみましょう。
また、業務が発生する頻度や期間によっては、フリーランスSEに外注することで、採用自体が必要なくなる可能性もあります。
SE採用におすすめの求人媒体
最後に、SE採用におすすめの求人媒体についてお伝えします。
JELLYFISH
JELLYFISHは、外国人人材に特化した人材紹介サービスです。SEを含め、IT人材に強みを持っています。
登録外国人のうち72.2%が日本在住なので、ビザの新規申請が必要なく、採用後すぐに就業できるのもポイント。
ビザ取得のサポートやバイリンガルコンサルタントによる外国人のサポートも提供しているので、初めて外国人人材を採用する会社にもおすすめです。
マイナビエージェント
マイナビエージェントは、大手求人サイト「マイナビ」が運営する人材紹介サービス。
新卒時にマイナビを利用していた人がそのまま登録しているケースが多く、25~35歳の若い登録者が多いことが特徴です。
社内教育を前提に、長く定着する若い人材を獲得したい会社におすすめです。
ビズリーチ
ビズリーチは、主に管理職や専門職が対象の、ヘッドハンティング型転職サイト。
掲載求人のおよそ3分の1以上が年収1,000万円以上となっていて、ハイクラス転職を目指す登録者が豊富です。
ピンポイントで優秀な人材と出会えるため、即戦力となるハイスペックなSEや、企業の中核を担う人材を採用したい場合におすすめです。
まとめ
SEの採用は、需要と供給が反比例しているため求人倍率が高く、企業にとっては難しい状況になっています。
SE採用を成功させるポイントは、ペルソナを明確に定めて工夫をしたり、他社が注目していない人材層に目を向けることです。
SEの獲得に課題を感じている人事担当の方は、今回ご紹介した採用テクニックを参考に、採用手法を見直してみてはいかがでしょうか。