エンジニアはニーズが高く、これからさらに活躍が期待されている職業です。
しかし、一言でエンジニアといっても、その職種はかなり細分化され、担当する仕事も年収の相場も異なります。
今回は、ITエンジニアの職種や企業別の年収ランキングを紹介。
日本だけではなく、世界のエンジニア年収ランキングについても解説します。
この記事の目次
エンジニアの種類
ITエンジニアの種類は、大きく分けて「システム系」「開発系」「インフラ系」「その他」に分けることができます。
その中でも、担当する分野別に、さらに様々な職種があります。
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- システムエンジニア:どんなシステムを作るかを考え、設計する
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- プロジェクトマネージャー:プロジェクトの管理を行う、システムエンジニアの上位職
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- プロジェクトリーダー:システムエンジニアのリーダーとして開発を先導する
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- ブリッジSE:海外と日本国内の開発現場の取り次ぎを担う
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- プログラマー:システムエンジニアが作成した設計書を元に、コーディングを行う
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- フロントエンドエンジニア:webサイトの、ユーザーから見える範囲を扱う
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- 組み込みエンジニア:自動車や家電などの機械にプログラムを組み込む
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- ネットワークエンジニア:情報通信の「通り道」を専門に扱う
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- サーバーエンジニア:サーバーの設定や物理的な設置を行う
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- データベースエンジニア:データベースの構築や運用を行う
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- セキュリティエンジニア:サイバー攻撃の被害に遭うことを未然に防ぐ
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- クラウドエンジニア:クラウドの構築や運用を行う
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- バックエンドエンジニア:webサイトの中で、ユーザーに見えない部分を扱う
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- セールスエンジニア:エンジニア兼営業として、営業活動やアフターフォローを行う
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- webデザイナー:webサイトのデザインを担当する
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- マークアップエンジニア:webサイトの文章や画像の配置を行う
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- テストエンジニア:製品やサービスのリリース前にテストを行う
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- フィールドエンジニア:自社の顧客に対して技術的なサポートを行う
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- 社内SE:社内のIT環境やシステムの改善を行う
若手ITエンジニアの年収事情
それでは、若手ITエンジニアの年収事情を見ていきましょう。
20~30代のエンジニアの平均年収
20~30代のエンジニアの平均年収は、以下のようになっています。
- 20代:約367万円
- 30代:約388万円
参照:https://tenshoku.mynavi.jp/knowhow/income/index#type6
ちなみに、2020年1月調査の、全職種を合わせた平均年収は以下の通りです。
- 20代:345万円
- 30代:442万円
参照:https://doda.jp/guide/heikin/age/
もちろん、あくまでも平均なのでこれより高い会社も低い会社もありますが、全体的にエンジニアは同世代の平均より年収が高い傾向にあります。
スタートアップのエンジニアは高収入?
2019年、日本経済新聞が「スタートアップ企業に転職する人材が増えていて、その転職後の平均年収は720万円」と報じました。
特にスタートアップ企業では発足時の人材が会社の将来を左右するので、平均を大幅に超える給与を出してでも、優秀なエンジニアを確保したいという会社が多いです。
しかし、スタートアップに転職さえすれば、エンジニアなら誰でも高収入になれるかというと、それは違います。
スタートアップやベンチャー企業は、事業が軌道に乗るまでは資金繰りが厳しいので、どこにでもいるエンジニアに高収入を提示することは難しいでしょう。
スタートアップ転職で高収入を目指すには、専門性を磨いて事業の中核を担えるだけの実力が必要になります。
会社勤めorフリー、どちらが高年収?
求人サイトの調査によると、会社勤め・フリーランスそれぞれのエンジニアの年収分布は、以下のようになっています。
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- ~299万円:1%
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- 300~399万円:24%
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- 400~499万円:38%
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- 500~599万円:21%
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- 600~699万円:10%
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- 700~799万円:3%
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- 800~899万円:2%
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- 900~999万円:1%
参照:https://www.find-job.net/income/shokushu-203/
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- 360万円:4%
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- 480万円:13%
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- 600万円:22%
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- 720万円:22%
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- 840万円:20%
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- 960万円:11%
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- 1020万円:2%
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- 1080万円:2%
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- 1200万円:4%
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- 1320万円:1%
こちらは、エンジニア求人サイト「ProEngineer」に掲載されている募集情報を集計したデータなので、実際に働いている人が得た年収ではなく、企業側が提示している年収です。
もちろん、求められる技術や仕事内容は案件ごとに異なりますが、全体的にフリーランスエンジニアの方が年収は高いと言えそうです。
参照:https://proengineer.internous.co.jp/content/freelance/11421
世界のエンジニアの年収
ヒューマンリソシア株式会社が2020年5月に行なった調査では、日本のエンジニアの年収は、調査した29ヶ国中18位という結果になっています。
1位~3位の国と、日本から海外進出して働くエンジニアが多い各国のエンジニアの年収は、以下のようになっています。
(単位がドルで発表されているため、わかりやすいよう現在のドル相場である106円/1ドルで換算しています。)
- 位:スイス 980万円
- 位:アメリカ 883万円
- 位:イスラエル 842万円
- 日本:450万円
- シンガポール:550万円
- 香港:437万円
- 中国:335万円
参照:https://git.resocia.jp/info/post-developers-around-the-globe-survey-salary/
もちろん、物価なども違うので一概には言えませんが、日本のエンジニア年収は世界に比べて低いわけではないものの、上位の国に比べると半分程度ということもあるようです。
ちなみに、日本で働く外国人エンジニアの年収相場については「外国人エンジニアの給与相場は?」をご覧ください。
ITエンジニアの年収ランキング
それでは、ITエンジニアの平均年収を、職種別・企業別にランキングでご紹介していきます。
職種別ランキング
- 位:システムコンサルタント 610万円
- 位:プロジェクトマネージャー・プロジェクトリーダー 569万円
- 位:製品開発・研究開発 542万円
- 位:社内システム企画・社内SE 516万円
- 位:サーバーエンジニア 465万円
参照:https://mynavi-agent.jp/it/knowhow/it_annualincome/
エンジニアの職種別ランキングだと、やはりマネジメント力や専門的な技術力が求められる仕事が上位となりました。
第5位になったサーバーエンジニアは、20代や女性の年収も比較的高くなっていて、年齢や性別がハンデになりにくい職種であることが伺えます。
企業別ランキング
- 位:SRA HD 1,206万円
- 位:フューチャー 1,178万円
- 位:野村総合研究所 1,166万円
- 位:ソフトバンク 1,158万円
- 位:日本オラクル 1,031万円
IT業界で上位の企業になると、平均年収が1,000万円を超える企業もざらにあります。
ちなみに、外資系企業のため日本で上場していないFacebook・日本IBM・マイクロソフトなどは、このランキングには含まれていません。
全体的に、大手IT情報通信や、大手SIer企業の平均年収が高い傾向があります。
参考サイト:https://agency-star.co.jp/column/information-technology-salary/
ITエンジニアが年収を上げるには
最後に、ITエンジニアが年収を上げるには、どんなことがポイントになるのかをお伝えしていきます。
年収の良い企業に就職
エンジニアとして年収を上げるには、年収ランキングで上位になるような大手企業に就職することが近道です。
IT関連の仕事は、まず大手企業が企画や受注を行い、そこから実務を下請け・孫請けに依頼していくという仕組みになっています。
受注を繰り返す中で、中間コストがどんどん抜かれていくので、中小企業や下請け中心の会社だとどうしても年収は上がりにくいです。
高度な技術・スキルを身につける
大手企業に入ることは年収を上げる近道ですが、大手企業にはそう簡単に入れるものではありません。
「高い年収を出してでもこの人が欲しい」と思われる、高度な技術・スキルが必要になります。
また、技術があればフリーランスになり、勤務地や時間に縛られず働くという選択もできるようになります。
まとめ
エンジニアには様々な職種がありますが、全体的に日本の平均より年収が高めの仕事です。
その中でも、職種や企業によって、かなり年収は異なります。
エンジニアとして就職や転職をお考えの方は、ぜひ今回ご紹介したランキングを参考にしてみてください。