WEBテストは、企業の入社試験の中で、書類審査の次に課されることが多いです。
一定の基準を設けて応募者を分ける「足切り」の目的が強く、WEBテストの結果が悪いと面接試験に進めないことも。
そのため、入りたい企業がある方は、まずWEBテストを突破することが重要です。
今回は、出題されるWEBテストを見分ける方法や出題形式、おすすめの対策方法についてお伝えしていきます。
この記事の目次
WEBテストとは?目的と形式
WEBテストとは、企業の入社試験の一環として行われるテストのこと。
以前はペーパーテストが行われることも多かったですが、現在は新型コロナウイルスの影響や、会場代・交通費削減の目的から自宅で受験できることもあります。
WEBテストには、単純な学力や言語能力を問うものから、考え方や性格を見極める心理テストのようなものまで様々な種類があります。
WEBテストの目的
WEBテストの目的は、企業が求める素養や能力を持つ人材を見極めることです。
応募者の行動特性・ストレス耐性・論理的思考力・性格の特徴などを数値化し、どのような人材なのかを見えやすくします。
また、多くの応募者から、一定の基準を満たしていない人材を足切りして母数を絞る目的も。
場合によっては、採用可否の判断だけではなく、配属先部署の決定にWEBテストの結果を用いることもあります。
WEBテストの受検形式
WEBテストの受験形式には、「テストセンター」と「WEBテスティングサービス」の2種類があります。
テストセンターとは、試験用に設けられた会場まで出向き、そこに用意されたパソコンで受験すること。
WEBテスティングサービスは、自宅のパソコンでインターネットを通じて受験することです。
WEBテスト|主要5種類と見分け方
主要なWEBテストは、「SPI」「ENG」「玉手箱」「GAB」「TG-WEB」の5種類です。
それぞれ、採用している企業の傾向や出題形式が違うので、事前に研究して見分け方を知っておくことで対策が可能になります。
WEBテストを見分ける3つの方法
それでは、WEBテストの種類の見分け方をお伝えしていきます。
①過去の口コミ
その企業の在籍者や、入社試験を受けたことがある人の口コミを見ることで、出題されるWEBテストの種類を絞りやすくなります。
企業は採用の基準を一定に保つ必要があります。そのため、ある年度からテストの種類を一気に変更することは考えにくいです。
もちろん、そのようなことが絶対にないとは言い切れませんし、全ての口コミが本当のことを書いているとも限りませんが、参考にはなるでしょう。
②メールに添付されているURL
メールに記載されているURLを見れば、どの種類のテストなのか一目瞭然です。
主要5種類のうちURLで見分けられる3種類と、それぞれのURLは次の通りです。
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- SPI: http://arorua.net/
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- 玉手箱:https://web1.e-exams.jp/ 、https://web2.e-exams.jp/ 、https://web3.e-exams.jp/
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- TG-WEB:http://assessment.c-personal.com/ 、http://assessment.e-gitest.com/
③テストの画面や問題形式
最後に、テスト画面や問題形式を見れば、かなり確実にテストの種類を見分けることができます。
主要5種それぞれの特徴や問題形式は、以下のようになっています。
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- SPI:開始前に規約画面がある、回答時間が「約35分」
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- ENG:SPIの英語版。SPIと一緒に受験することが多く、英語の問題が出題される
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- 玉手箱:ログイン画面のURLに「shl.ne.jp」が含まれる、最初に「動作テスト〇分」という表示がある
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- GAB:出題形式は玉手箱とほぼ同じ。見分け方は特になし
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- TG-WEB:制限時間が言語12分・非言語18分(従来型)または言語7分・非言語8分(新型)、表紙→問題という構成になっている
主要WEBテスト①SPIー多くの大手企業が利用
SPIは、求人・人材派遣を手がけるリクルート社が提供しているWEBテストです。
採用している企業の数が多く、出題頻度は最も高いと言えるでしょう。
検査内容は、「言語(国語)」「非言語(数学)」「性格検査」の3パートに分かれています。
受験方法は、テストセンターとWEBテスティングの2種類があります。
主要WEBテスト②ENGーSPIの英語版
ENGは、リクルート社が提供するSPIの英語版です。
難易度は高校1〜2年生レベルで、英検に換算すると準2級程度となっています。
SPIとセットで実施されることが多く、筆記試験またはテストセンターで受験します。
英語の問題が出題されたら、ENGだと分かります。
主要WEBテスト③玉手箱ー金融やコンサルで頻出
玉手箱は日本SHL社が提供している適性検査で、金融やコンサル業界で採用されていることが多いWEBテストです。
出題内容は「計数(数学)」「言語(国語)」「英語」の3パートですが、会社によっては英語の試験は行わない場合もあります。
問題の出題パターンは計数3種・言語3種・英語2種の計8種類があり、会社の傾向や求める人材像に合わせて問題を組み合わせて出題するのが玉手箱の特徴です。
主要WEBテスト④GABー新卒総合職の採用時に多い
GABは、玉手箱と同じ日本SHL社が提供している適性検査です。
GABは主に新卒総合職の採用のために開発された検査で、バイタリティやチームワークなど9つの特性を検査できることが特徴です。
試験内容は、「計数(数学)」「言語(国語)」「パーソナリティ検査」の3パートです。
主要WEBテスト⑤TG-WEBー対策必須の高難易度
TG-WEBは、ヒューマネージ社が提供している適性検査です。
TG-WEBの特徴は、他の適性検査と比べて問題数が少なく、難易度が高いこと。
出題内容は、「計数(数学)」「言語(国語)」「英語」の3パートです。
玉手箱と同じく、外資系のコンサルティング業界や、金融業界でよく利用されています。
その他のWEBテスト
主要5種類以外のWEBテストには、以下のようなものがあります。
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- CAB:SE・プログラマー向けの暗号問題
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- IMAGES:GABの簡易版で、英語科目と試験時間の短さが特徴
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- 内田クレペリン:膨大な足し算を繰り返すテスト
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- SCOA:SPIテストの亜流で、5科目が出題される
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- CUBIC:嘘は見抜かれるという性格診断が特徴
WEBテストの出題傾向と対策
最後に、WEBテストの出題傾向と、対策方法についてお伝えします。
企業ごとに異なる出題傾向
今回ご紹介した5種類のWEBテストは、それぞれ以下のような会社で採用されています。
- SPI:商社・メーカー・銀行・大手企業(伊藤忠商事・ゴールドマンサックス・資生堂 など)
- ENG:SPIを利用していて、かつ英語を重視する企業(三菱商事・JAL・伊藤忠丸紅鋼鉄 など)
- 玉手箱:総合商社・専門商社、証券・投資銀行、総研(三菱地所・アクセンチュア・みずほフィナンシャルグループ など)
- GAB:総合商社・専門商社、証券・投資銀行、総研(サントリーホールディングス・住友商事・EYアドバイザリーアンドコンサルティング など)
- TG-WEB:業界は不特定だが、応募者が多い企業(三菱UFJ銀行・ジョンソンエンドジョンソン・日本政策金融公庫 など)
おすすめ!WEBテスト対策
WEBテストの対策は、まず志望する企業で出題される種類と、その出題傾向を知ること。
例えば、同じ数学の問題が出題されるWEBテストでも、SPIでは思考力や判断力が重視され、玉手箱では実際の計算能力が問われるといった違いがあります。
また、行動特性・ストレス耐性・性格の特徴などを測る問題では、出題意図を汲んで企業が求める回答をすることで、ある程度点数を伸ばすことも可能です。
まずは出題されるテストの種類を特定して参考書などを買い、傾向を研究するのがおすすめです。
まとめ
WEBテストは、合格ラインを超えられないと、それだけで面接試験に進めなくなってしまうこともあります。
問題の難易度自体は高くないことも多いですが、傾向を知り、対策しておくことでより高得点が期待できます。
入りたい企業がある方は、その会社が使っているWEBテストの特定や、出題傾向の把握といった対策を早くから始めておきましょう。