タイ人の来日ビザを徹底解説【短期滞在ビザ・就労ビザ】

タイは2013年から日本のビザ免除国となり、15日以内の滞在ならビザ取得が免除されます。

しかし、タイは日本より経済規模が小さい国のため、タイ人に対するビザ発給の基準は厳しめ。ビザなしで不法滞在してしまう
タイ人も多く、タイ人を雇用する際には注意が必要です。

今回は、タイ人が来日する場合に必要なビザを目的別に解説していきます。

ハードルは高め!タイ人のビザ取得

一般的なタイ人は、日本に入国するためのビザを簡単には取得できません。日本に15日以上滞在する場合に必要となる「短期滞在ビザ」や、日本で働く場合に必要な「就労ビザ」をタイ人が取得するハードルは、他の外国人に比べて高め。

短期滞在ビザは1週間ほどで発給される国が多いなか、タイ人の短期滞在ビザは審査期間が1~3ヶ月ほどとなっています。

また、発給基準が非公開になっていたり、不許可になった場合はその後6ヶ月間再申請ができないというペナルティもあったりします。
これは、タイの経済規模が日本に比べて小さく、経済的に余裕のあるタイ人が少ないため。

過去に入国したタイ人がオーバーステイや日本人との偽装結婚、人身売買などを行なっていたケースもあり、タイ人のビザ審査は他の外国人より厳しくなっているのです。

タイ人の来日に必要なビザとは

それでは、タイ人が来日するために必要なビザを、来日の目的別に見ていきましょう。

90日以内の短期滞在の場合

観光・知人や親族の訪問など、報酬を得る活動を目的としない90日以内の滞在の場合は、「短期滞在ビザ」を取得します。
先にお伝えしたように、15日までの滞在ならタイ人はビザが不要ですので、16~90日以内の滞在の場合に取得するビザとなります。

短期滞在ビザには「15日」「30日」「90日」の3種類があり、期間が長いほど審査は厳しくなります。

申請はタイ人本人・タイ人を日本に呼ぶ人両方が行うことができ、日本人がタイ人を呼び寄せる場合には、タイ人との関係を証明する書類が必要となります。

短期滞在ビザは商用目的の滞在も可能で、日本で会議に出席したり就職活動をしたりすることができますが、アルバイトなど日本国内で報酬を得る活動はできません。

日本で就職する場合

タイ人が日本で就職する場合には、他の外国人と同じく「就労ビザ」を取得します。

・教授
・芸術
・宗教
・報道
・経営・管理
・法律・会計業務
・医療
・研究
・教育
・技術・人文知識・国際業務
・企業内転勤
・介護
・興行
・技能
・特定技能
・技能実習

以上16種類の職種別就労ビザと、特に優秀な人材に交付される「高度専門職ビザ」を合わせたものを、就労ビザと呼びます。
就労ビザの申請は、タイ人の就職先となる会社が主体になって行うことが多いです。

職種別の就労ビザは、その外国人が日本国内でどんな職業に就けるのかが厳密に決まっていて、もし資格外の仕事をすると不法就労となります。

そのため、タイ人を日本で雇用する場合には、事前に就労ビザの種類や本人の資格・学歴等を確認し、就労する仕事に合った就労ビザを取得できるか確認する必要があります。

留学する場合

タイ人が日本に留学する場合は、「留学ビザ」を取得します。
すでに日本の学校への入学が決まっている場合には、他の種類のビザよりもスムーズに取得できるでしょう。
タイ人留学生が日本でアルバイトをしたい場合には、留学ビザの取得の他に「資格外活動許可書」の申請が必要になります。
タイ人に限らず、留学生が資格外活動でできるアルバイトは、学校がある時期は「週28時間以内」、夏休み期間などは「1日8時間以内」と定められています。

タイ人がビザを取得するまでの流れ

来日するタイ人のビザ申請は、タイ人本人がタイ国内で行うケースと、タイ人を日本に招く日本人が日本国内で行うケースがあります。

タイ人本人がビザを申請する場合

1.日本に渡航する計画を立てる
2.就労ビザ申請に必要な書類を用意する
3.タイにある日本大使館・総領事館で審査を受ける
4.審査終了後、旅券を取りに行く
5.就労ビザが交付された場合、3ヶ月以内に日本に渡航する

タイ人を招聘する日本人・日本企業が就労ビザを申請する場合

1.タイ人を日本に招く計画を立てる
2.地方入国管理局に「在留資格認定証明書」の交付を申請する
3.交付された在留資格認定証明書を、タイ人本人に送付する
4.本人が、タイにある日本大使館・総領事館で審査を受ける
5.審査終了後、本人が旅券を取りに行く
6.就労ビザが交付された場合、3ヶ月以内に日本に渡航してもらう

【大見出し】

タイ人がビザを免除されるケースとは

2013年から、タイ人に対する一部のビザ免除措置が始まりました。タイ人がビザなしで日本に入国できる条件や、免除されるビザの種類を見ていきましょう。

免除されるビザの種類

タイは2013年以降、日本が定めているビザ免除国の一つ。
免除されるのは、15日以内かつ日本国内で報酬を得る活動を目的としない場合の短期滞在ビザです。
この措置は、タイ人観光客の誘致や、ビジネス面での利便性の向上を目的として実施されました。

ビザが免除される条件

タイ人のビザが免除される条件は、以下の3つ。
・タイのIC一般旅券を持っていること
・日本での滞在日数が15日以内であること
・日本国内で報酬を得る活動を行わないこと

この条件に全て当てはまる場合のみ、ビザが免除されます。
ビザなしで入国して16日以上のオーバーステイをする、アルバイトなどで報酬を得るなどした場合は、不法滞在・不法就労となり、退去強制の対象となります。

また、そのような履歴があるタイ人は、以後の日本入国やビザ取得が難しくなりま
す。

タイ人を雇用する時の注意点は?

タイ人を雇用する場合の注意点は、まず雇用する職種に合った就労ビザを持っているかどうか確認すること。
タイ人は短期滞在ならビザなしで入国できる分、そのまま日本に滞在し続けてしまう不法滞在者も多いのです。

2018年のデータでは、日本に不法滞在しているタイ人の数は、韓国人・中国人に次ぐ第3位。約7,000人のタイ人が、日本に不法滞在しています。

ビザなしや就労資格のないビザのタイ人を雇用すると、雇用した側にも重いペナルティが課せられてしまいます。そのため、タイ人を雇用する場合にはまずに就労ビザの確認を行いましょう。

タイ人と一緒に働く場合、タイ人の国民性に対する理解も大切。
タイ人は非常におおらかで物腰が柔らかく、日本人とも馴染みやすい性格の人が多いです。
しかし、おおらかさゆえに時間にルーズだったり、業務中に私用電話や食事、化粧など「ながら仕事」をしてしまったりする人も。

また、タイ人は怒られるのを非常に嫌い、上司から軽い注意を受けただけで即日仕事を辞めてしまうことも少なくないのだとか。
タイ人を雇用する場合には、このような国民性を頭に置いて、マネジメントを工夫する必要があります。

まとめ

タイ人が日本で15日以上滞在するには、目的に沿ったビザ取得をする必要があります。

・就労目的:就労ビザ
・留学目的:留学ビザ
・15日~3ヶ月の滞在:短期滞在ビザ

タイは日本より経済規模の小さい国で、ビザなしでオーバーステイする不法滞在者が多いことから、タイ人へのビザ発給のハードルは高め。
タイ人を雇用する場合には、不法就労をさせないようにビザの確認・申請をしっかりと行うようにしましょう。

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