求人に応募する前に、約90%の求職者が採用サイトを参考にすると言われています。
外部の求人サイトや、コーポレートサイトの求人情報よりも多彩なコンテンツを掲載できる採用サイトは、優秀な人材を獲得するためには必須。
今回は、エンジニア採用のための採用サイトの作り方についてお伝えします。
具体的なコンテンツ内容や、エンジニアが魅力を感じる要素について解説しますので、ぜひ最後までお読みください。
この記事の目次
採用サイトとは
採用サイトとは、人材獲得のために作成する独立サイト。
コーポレートサイト(企業の公式サイト)の1コーナーに掲載することも多い採用情報ですが、それをより深掘りして、採用したいペルソナに合わせた伝え方を試みるのが採用サイトです。
採用サイトが必要な理由
採用活動は求人サイトを通じて行う企業が多いかと思いますが、ほとんどの求職者は求人サイト上の情報だけを見て応募することはありません。
実際に応募する前に、企業の公式サイトや採用サイトを見て、企業研究を行う人が大多数です。
その際に採用サイトがあると、自社の雰囲気や福利厚生など、求職者が求める情報をより詳しく掲載することができます。
また、デザインやユーザビリティなども採用したい人物像に合わせることができ、企業研究の時点で応募者の層を絞り込むことができるのです。
特にエンジニアは有効求人倍率が高く、現在採用が難しいため、他社と差をつけるためにも必要性が高いと言えます。
採用サイトのメリットはその「自由度」
自社で採用サイトを作るメリットは、何より自由度が高いことです。
社外の求人サイトでは、掲載できる情報に文字制限や決まったフォーマットがあり、表現の工夫には際限があります。
その点、自社で作成する採用サイトなら、デザインや形式の制限がないため、文章だけではなくムービーや漫画、ブログなど様々な方法で求職者にアピールすることができます。
また、掲載情報に変更や間違いがあった場合、求人サイトだと原稿の差し替えに費用や時間がかかりますが、自社の採用サイトであれば編集も自由に行えます。
採用サイトのデメリットは「作成コスト」
採用サイトのデメリットは、基本的に「作成コスト」の一点のみ。
社内にサイト作成のノウハウがない場合、基本的には専門業者に作成を依頼することになり、外注費がかかります。
費用相場はケースバイケースですが、本格的な採用サイトであれば100万円を超えることも少なくありません。
また、採用サイトに掲載する内容は、外注業者に丸投げでは仕上がりません。
自社をアピールするためのキャッチコピーや社長・社員のコメントなどは社内で用意する必要があり、費用の他に時間的なコストもかかります。
エンジニアが魅力を感じる採用サイトとは
それでは、エンジニア採用を成功させるためには、どのような採用サイトが望ましいのかを解説していきます。
(1)チーム・社内の関係性が伝わる
エンジニアの仕事の中でも、「IT土方」と呼ばれるような自主性を求められない単純作業は人気が低いです。
ものづくりに携わるなら、社内のコミュニケーションが活発で自分の意見を反映させられる企業でキャリアを積みたいエンジニアが多数。
そのため、採用サイトにはチーム・社内の関係性や、募集に至った背景、企業戦略、ビジョンなどを掲載すると魅力が伝わりやすいでしょう。
(2)エンジニアに求められている役割が明確
エンジニアと一言で言っても、その専門分野は人によって様々です。
採用サイトで、募集する人材に求める役割を明確に記載することで、それを得意とするエンジニアに「自分が求められている」「ここでなら活躍できる」と感じてもらえます。
また、役割が曖昧だと応募者数が膨らみ、マッチングもしにくくなるので、採用サイトを作成する以前にペルソナを明確に定めることが重要と言えます。
(3)将来の可能性を感じられる
長く働きたいエンジニアほど、今後の成長性があり、将来が明るそうな企業を選びたいのは当然です。
自社の展望やビジョン、社会の変化に対応していくための指針といった可能性を示すのは、重要なポイントです。
また、会社全体だけではなく、社内でのキャリアパスも紹介すると、そこで自分が働くイメージをしやすいでしょう。
(4)正確・具体的な専門用語が使用されている
専門用語がなかったり、使い方を間違っているようなサイトだと、現場に理解がない会社であることが明らかで、エンジニアから敬遠されてしまいます。
また、募集の際、職能・スキルの定義が曖昧だと、入社後にどのような働きを期待されているのかわかりにくく、応募に二の足を踏む人が多いです。具体的なスキルを明記して求職者であるエンジニアに伝わりやすい言葉で表現しましょう。
採用担当者に知識がなければ、社内エンジニアの意見を取り入れるなどして、具体的かつ正確なスキルを定義しましょう。
(5)WEBデザインやキャッチコピーのセンス
採用サイト自体のクオリティが低いと、エンジニアとして関われる仕事もクオリティが期待できないと思われてしまいがちです。
ものづくりの専門家であるエンジニアの採用サイトだからこそ、WEBデザインやキャッチコピーにはこだわりましょう。
また、採用したい人の年齢・性格・興味といったペルソナに合わせたデザインで、興味を引くことも重要です。
エンジニア採用サイト制作のポイント
それでは、エンジニア採用サイトを制作する際のポイントを、具体的にご紹介していきます。
必ず掲載すべきコンテンツ
採用サイトに必ず掲載するべきなのは、以下の3点。
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- 募集要項
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- 採用プロセス/スケジュール
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- 会社概要
上記のような最低限の情報は基本として、他に以下のようなコンテンツがあると求職者の興味を引くことができます。
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- 代表メッセージ/インタビュー
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- 社員メッセージ/インタビュー
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- キャリアパス
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- 研修/福利厚生
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- 差別化コンテンツ
この中でも、企業の特徴を出しやすい要素が「差別化コンテンツ」。
自社独自の取り組みやこれまでに手掛けてきた案件、オフィス内の様子などを伝えることで、他社にはない魅力を伝えることができます。
採用サイト制作の注意点
次に、採用サイトを制作する前に、気をつけておきたい注意点をお伝えします。
ペルソナの設定は明確に
採用したい具体的な人物像(ペルソナ)は、採用サイトのコンセプトを決定する基礎になります。
エンジニアとして必要なスキルはもちろん、年齢・性別・性格や、何に魅力を感じるかといった人物像を設定することで、サイト上で打ち出していくイメージが変わってきます。
設定したペルソナを意識した採用サイトを作ることで、採用したい人材に「この会社は自分に合っている」と思ってもらいやすくなるのです。
サイトのコンセプト設定は全社協力で
ペルソナが決定したら、その人材層にアピールできるメッセージやデザイン、掲載コンテンツといったコンセプトを設定していきます。
その際、専門知識のない人事担当者だけで考えても、どうしてもピントがずれてしまいがちです。
自社エンジニアにも参加してもらったり、自社の制度自体の見直しを行いながら、本当にエンジニアに魅力を感じてもらえるコンセプトを練り上げましょう。
募集要項や動線は分かりやすく
先にもお伝えしましたが、エンジニアと一言で言っても、その仕事内容や専門分野は多岐に渡ります。
自社が何のためにエンジニアを求めていて、入社したら何をしてもらいたいのかを明確に設定し、それが伝わる募集要項にすることが大切です。
また、求職者が企業に魅力を感じて、募集要項にも合致していたら、次にどんな行動を取ればいいのかという、応募への動線も明確である必要があります。
エントリーボタンは見やすい位置に配置し、応募までのステップは極力短縮してハードルを下げましょう。
求職者の目線に立っているか
求職中のエンジニアの心を掴むためには、エンジニアの転職理由を知っておくことが重要です。
それに対する自社の解決策を掲載することで、「この会社なら心配ない」と思ってもらうことができます。
例えば、
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- 実績に見合った評価が得られない→自社の評価制度・キャリアパスを紹介
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- 長く働いても成長している実感がない→研修制度・社員の成長体験談の紹介
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- 人間関係が悪い→社員の人柄やオフィスの雰囲気がわかるコンテンツを掲載
などの対策が可能です。
優秀なエンジニア獲得には採用サイトの見直しを
エンジニアは他の職種に比べて有効求人倍率がかなり高く、優秀な人材の獲得が難しくなっています。
そして、多くの求職者が参考にする採用サイトは、エンジニア採用の窓口となります。
魅力あるコンセプトを定め、求職者の興味を引けるコンテンツを充実させることで、自社にあった人材を獲得しやすくなるでしょう。