外国人採用に積極的な企業の特徴は?実例や注意点も紹介

日本国内の外国人労働者数は、右肩上がりに増加を続けています。
外国人採用に積極的な企業は、なぜ、どのように外国人を採用しているのでしょうか。

今回は、実際の企業の例を挙げながら、外国人採用に積極的な企業の特徴や施策を紹介。

外国人採用を行うメリットや注意点についても、解説いたします。

外国人採用の現状

2020年10月の調査では、日本で働いている外国人労働者の総数は172万4328人。
前年の同期と比べると6万5524人増で、外国人労働者数は右肩上がりに増加しています。

国籍別だと、ベトナム人が最も多く44万3998人
次いで中国人が41万9431人、フィリピン人が18万4750人となっています。

産業別だと、「医療、福祉」は26.8%、「建設業」は19%で、いずれも前年の調査より増加しています。
一方、新型コロナウイルスの影響を受け、「宿泊業、飲食サービス業」の外国人労働者は2007年の調査開始以降はじめて減少しました。

外国人採用に積極的な企業の特徴

ここでは、外国人採用に積極的な企業の特徴についてお伝えしていきます。

海外に拠点を持つ

海外に本社がある外資系企業や、海外に支店・工場などを持つグローバルな企業は、外国人採用に積極的です。
海外でビジネスを展開していくには、当然その国の文化に詳しかったり、外国語が流暢に話せる社員がいた方が有利になります。

また、社内通訳・社内翻訳などのニーズもあるため、自然と外国人社員が多くなりやすい環境と言えるでしょう。

英語体制が整備されている

外国人採用に積極的な企業では、日本国内に社屋を置いていても社内公用語を英語にしているケースがあります。
このような体制にすることで、日本語力がハンデになりがちな外国人社員も積極的に発言でき、多様な意見を取り入れられます。

また、日本人社員も当たり前に英語を話せるようになることで、海外でのビジネスチャンスも広がっていくでしょう。

社内研修制度が充実している

日本人社員と外国人社員には、語学スキルをはじめ、文化や考え方、キャリアの捉え方など、様々な違いがあります。
このギャップを埋めたり、異文化への理解を深めるための研修制度が充実していることも、外国人採用に積極的な企業の特徴です。

また、グローバル企業の場合は社内留学制度が用意されていることもあります。

国籍・言語に左右されない職種

仕事には、必ずしも言語スキルが必要だったり、国籍が関係あるとは限りません

例えば、エンジニアが仕事で使うのは、世界共通のプログラミング言語です。
もちろん、社員間のコミュニケーションなどで全く言語能力が必要ないということは考えにくいですが、翻訳ソフトなどで対応できる部分もあります。

そういった職種を募集する場合に、国籍にこだわらないということも、外国人採用に積極的な企業の特徴と言えるでしょう。

外国人採用に積極的な企業

それでは、具体的な企業の例を挙げて、外国人を積極採用しているケースをご紹介します。

楽天株式会社

楽天は、2012年にいち早く社内公用語を英語にするなど、グローバル化を推進している企業です。
2014年に採用した開発職の社員は約8割が外国人で、すでに外国人採用が当たり前になっています。

採用サイトが言語を切り替えられる仕様になっていたり、海外で主流のジョブ型採用を導入していたりと、外国人にも応募しやすい採用手法を用いていることも特徴です。

株式会社メルカリ

フリマアプリを運営するメルカリは、2018年新卒エンジニア9割が外国人。
山田会長自らが「日本語が話せなくても、英語ができればどんどん雇う」と発言するなど、急速にグローバル化を推進しています。

社内には「GOT」と呼ばれる外国人社員のサポートチームもあり、翻訳や通訳を行っているため外国人でも安心して勤務できる体制です。

パナソニック株式会社

海外でも知名度が高いグローバル企業のパナソニックも、外国人採用に積極的。
2011年の新卒採用では、全体の8割を占める1100人の外国人社員を採用した実績があります。

また、2016年には外国人採用に特化した「グローバル人事」を設置し、世界規模で採用活動を行っています。

フォスター電機株式会社

音響・車載用スピーカー部品を製造するフォスター電機では、連結従業員数98.9%が外国人。
東洋経済が2018年に発表した「CSR企業総覧(雇用・人材活用編)」では、国内の企業として最も高い外国人比率になっています。

ダイバーシティ経営の推進にも積極的で、外国人をはじめとした多様な人材を活用することで、企業競争力を高めています。

ユー・エム・シー・エレクトロニクス株式会社

ユー・エム・シー・エレクトロニクスは、フォスター電機に次いで外国人比率が高い会社です。その割合は、98.5%

生産拠点を中国メキシコに置いていて、現在は外国人社員は生産技術者が中心ですが、今後外国人管理職も増やしていく方針を掲げています。

外国人採用によるメリット

それでは、外国人採用にはどのようなメリットがあるのかを解説していきます。

労働力不足を補うことが出来る

現在の日本国内は、少子高齢化の影響によって深刻な労働力不足です。
求人倍率が高い売り手市場のため、特に中小企業や、需要の伸びが大きいIT業界が人材獲得に苦しんでいます。

国内の人材に限りがあるなら、海外の人材に目を向けるのは自然な流れです。
いち早く外国人採用を取り入れることで、他社に差をつけて労働力の獲得が可能になるでしょう。

新たなアイデアの可能性

日本人とは異なる文化や考え方を持つ外国人人材からは、新たなアイデアが生まれる可能性があります。

特にビジネスの海外展開や、増え続ける在留外国人をターゲットにしたサービス・商品を考えるなら、外国人社員の視点が重要になるでしょう。

既存社員の意識の向上

日本で就職する外国人は、「わざわざ自分の国を出て日本で働く理由がある」ということです。
その理由は、日本独自の技術に対する興味であったり、自国よりも高い賃金水準であったりと様々。
共通して言えるのは、熱意を持ち、意識を高く持って仕事に臨む方が多いということです。

外国人社員の姿勢は、既存の日本人社員への刺激になり、社内の空気の活性化にも繋がるでしょう。

外国人採用の注意点

外国人採用には、日本人とは違った注意点も存在します。

雇用手続きが複雑

日本で働く外国人には、必ず「就労ビザ」が必要です。
また、この就労ビザは就ける仕事の種類や範囲が決まっていて、ビザがなかったり、規定外の仕事に就いてしまうと不法就労になります。

さらに、外国人が転職や就職をしたときには出入国管理局への届出が必須で、働き始めた後もビザの期限が近づくと更新が必要です。
そのため、外国人採用を行うと、様々な人事業務が増えるということは知っておきましょう。

コミュニケーション問題

母語の違いによる、コミュニケーションの齟齬も問題になりやすいです。
業務指示が正しく伝わらなかったり意思疎通に時間がかかったりすることは、毎日のことなのでストレスになりがち。

外国人を採用した際は日本語研修を行ったり、既存の日本人社員には英語スキルの向上を促すなど、本人の努力のみに頼らず会社側のサポートも必要になるでしょう。

文化や習慣の違い

外国人は、日本の常識やマナーを知らないことも多く、日本人から見ると非常識と思える行動をしてしまいかねません。
社内の人を戸惑わせるだけなら個人間の問題で済みますが、顧客や取引先の人に不愉快な思いをさせてしまうと会社自体にデメリットを与えてしまうことも。

外国人採用の際には、ビジネスマナー研修をしっかり行い、日本で働く上での最低限の常識を身につけてもらいましょう。
また、業務に差し障りのない範囲であれば、外国人が持つ文化を日本人が理解して尊重する姿勢も大切です。

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まとめ

外国人採用は、労働力不足の解消や、社内に新しい風を入れて活性化させる助けになります。
成長著しい企業や、世界的な大企業も、外国人を積極的に採用中。
他社の実例も参考にしながら、外国人採用を検討してみてはいかがでしょうか。

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