全国の自治体では、18歳人口および若年層の減少化に対し、本格的に留学生を起爆剤として積極的に招致しようとする傾向がじわじわと拡がっています。なぜ教育機関のみならず、自治体までもが彼らに熱視線を送るのか?といえば、それはやはり労働力に直結した問題として若年層の減少は影響をおよぼしているからです。そのため、地方の学校に留学生を呼び、かの地で学ぶ生活の中で地元の良さを体感してもらい、そのまま地元の企業に就職してもらう…。そんな仕組みの構築を目指している様子がうかがえます。(photo by Ryan McGuire)
大分県、「県内の大学と連携して留学生の受け入れから就職まで支援」
大分県では大分合同新聞によると、「外国人留学生数(2015年5月1日時点)が前年比171人増の3380人となり5年ぶりの増加傾向」にあるとか。さらに、人口あたりの留学生数も京都府を抜いて2年ぶりに全国1位となりました。出身国を内訳で見ると、ベトナムやインドネシアといった東南アジア諸国が大幅に増加し、反対に中国は減少傾向にあるそうです。(出典:大分合同新聞)
愛媛大学でもこうした計画を積極的に推進しています。
文部科学省の留学生30万人計画を受けて、各学部・研究科に優秀な外国人学生を受け入れています。卒業後に愛媛を中心とする日本の企業で活 躍し、ひいては日本と母国の架け橋となる人材を育てるために、平成19~22年度の経済産業省「アジア人財資金構想」高度実践留学生育成事業を出発点とし て、本学留学生に対して就職支援教育を継続的に行ってきました。(出典:愛媛大学webサイト)
日本企業に就職を希望する能力・意欲の高い留学生を対象とした、全国中小企業団体中央会の「地域中小企業の海外人材確保・定着支援事業」プログラムに参画し、すでにこれを修了した留学生のうち42人が日本および海外の日系企業に勤務しているそうです。
独自の魅力を打ち出して『地方へ留学生を!』の理由
いずれにしても、外国人が日本企業で、さらには閉鎖的とも言える地方社会でイキイキと活躍できるためには、日本特有の習慣や体制などの理解や、各地方、各企業独自の風習の理解も必要となりますので一足飛びに成功を目指す施策ではありません。長期的に双方が理解を深め、地方それぞれの特性や豊かさなどの打ち出しがこれから一層活発になりそう。