こんにちは。JELLYFISHのHR事業部、是金です。訪日客による『爆買い』ブームが一段落し、インバウンド需要が根付くための施策を打ち出すフェーズとなってきました。また、人口減少問題や労働力不足といった、社会課題への対応策の一つとしても外国人への注目度は増していっています。そんな折、少し前のニュースですが興味深いトピックがありましたのでご紹介したいと思います。(photo by citirecruitment)
単なる労働力から、組織変革の担い手へ
【移民ノミクス始まる 外国人を生かす「3本の矢」】(出典:日経ビジネスセレクト)
要約すると、『外国人を労働力としてだけではなく、変革の契機としたい』という意欲をもって戦略的に活用する企業の姿です。
3本の矢①:市場を切り開く
本誌では中古車ECサイトを運営する企業の外国人活用について紹介しています。この企業では外国人がおよそ3割を占め、出身国は30にものぼるとか。世界各国に事業を展開しており、外国人スタッフがそれぞれの国からの問い合わせに母国語で回答し、出身国での新たなビジネスモデル創出の戦略担当も兼ねているそうです。ポイントは、『外国人に権限を与え、新たな市場を切り拓いた』ことが、こうした企業に共通しています。
3本の矢②:社員の意識改革
あえて異質な価値観を持つ人材を集団の中に入れ、異文化の衝突によって新たな化学反応を得ることを目的として外国人活用をする企業について紹介しています。日本人だけの組織にありがちな旧態依然とした考え方を打破することを目的としているそう。紹介されている企業は、国内の研究所でどんどんこれから外国人比率を高めていきたい方針で、日本本社に集中していた権限を各国に委譲し、展開国の身近で意思決定がはかれていくよう推進しています。外国人と共に仕事をするなかで、プレゼンテーションの世界標準を学んだりなど、新たな刺激が生まれているようです。
3本の矢③:世界標準を作る
さらに一歩進んで、外国人と一体になって、日本発で世界に通用する事業や組織の仕組みを生み出そうとする企業について紹介されています。観光事業において、外国人スタッフが新鮮な視点を活かして、日本人が見逃してしまっていた魅力を発掘したイベント企画などを打ち出しています。同社は今後、本格的な海外展開を控えており、世界の名だたるホテルチェーンと海外においても伍していくためには、日本人と外国籍スタッフが共に考え、サービスを生み出す必要があります。異なる視点、文化背景があることですでにある魅力に再び光を当てることができます。
ざっとダイジェストでご紹介すると、こういうポイントが書かれていました。私の日ごろの業務においても、少しずつですが、日本も外国籍人材を単なる労働力ではなく、変革の契機とした人材ととらえ始めた企業さんが出てきているように感じています。担当している都内のものづくり系企業でも、果敢に挑戦を試みており、組織の規模や事業特性を問わずに、『新たな変革を試みて停滞を断ち切る』ために行動している姿勢にはいつも感銘を受けています。