日本版CCRCが着々と地方で動き出す!地方創成の一つのカタチとして定着するか

最近日本でもじわじわとCCRC構想が実践に向けて動き出しています。(photo by Fede Racchi)

前橋版CCRC構想 試算により『福祉負担額より財政収入が上回る』。前橋ならではの魅力打ち出しが重要

Continuing Care Retirement Community の略称である「CCRC」。アメリカで始まった、継続的に健康面でのケアを受けられる高齢者コミュニティです。単なる老人介護施設ではなく、隠遁生活を送るのではなく、生涯に渡りイキイキと学び、やりがいをもって生活できる居住コミュニティです。

日本版CCRC は、高齢化により人口減少に悩む地方を活性化するため、2014年に閣議決定された「まち・ひと・しごと創生総合戦略」に基づく構想。首都圏の介護施設不 足を解決するとともに、人口減少が進む地方へ高齢者が移住することによって地域の活性化を促進する狙いがあり、地方創生の柱の一つと位置付けられていま す。

前橋では、『前橋版CCRC』を計画、12月に事業者コンペを開始するそう。

前橋赤十字病院の跡地約3.6haを前橋版CCRC(生涯活躍のまち)事業の拠点として整備するため、12月に事業予定者をコンペティションで公募する。 17年4月ごろまでに事業計画案を受け付ける。同年度中に事業予定者を決定・契約し、土地建物の所有者を決める。18年度の整備開始を予定する。基本構 想・計画は基礎調査をまとめた三菱総合研究所に業務を委託し、11月までに策定する。(出典:建設通信新聞

市は当初予定よりも事業予定者の公募スケジュールを早め、委託費は約1400万円を見込んでいます。前橋版のCCRCでは、

多世代まちなか型

●多世代全市型

●単身高齢者型

これら3パターンを想定しています。赤十字病院跡地での事業は、CCRCの基本機能である住まい、医療・介護、教育・就労を備えつつ、前橋らしさといった付加価値が重視されるそうです。

北海道西いぶりCCRC構想策定支援事業にアデコが協力

北海道西いぶり圏域の自治体3市3町(室蘭市、登別市、伊達市、豊浦町、壮瞥町、洞爺湖町)にまたがる広域連携型の日本版CCRC構想において、人材サービス企業のアデコ株式会社(東京都港区)は、デロイトトーマツコンサルティング合同会社(東京都千代田区)が受託した、北海道西いぶり「生涯活躍のまち」構想等策定支援事業において協力することを発表しています。

CCRCはアメリカで始まり、このように概念を有効活用してそれぞれの国において社会課題解決を担い発展応用されています。また、東京都奥多摩町においてJELLYFISH(東京都品川区)と共に推進している『旧古里中学校活用事業』は、日本語学校開校とITエンジニアタウン構想によるこれまでにないカタチでのCCRCとも言えそうです。

■出典:日本経済新聞、建設通信新聞、東京新聞

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