>「日本で働くと決めた」。前編 小さな興味の芽はやがて大きく成長し、日本社会で広い視野を育てたいと望む24歳の日常
この記事の目次
国により異なる就職活動。「日本式」で苦労したこと、得られたこと
外国人が日本で就職活動をするという点で、これから活動をする留学生の参考になればと思うことを少しお話ししますね。
万 幸(プロフィール)株式会社JELLYFISH勤務。中国雲南省出身、1991年9月生まれの24才。出身校:東京外国語大学大学院 総合国際学国際協力コース 2015年3月卒業。趣味はアウトドアスポーツ、映画、旅行など
エントリーシートからはじまり、幾度の面接を経るなど、さまざまな場面で厳しさを感じました。ESに関しては、各社ごとに内容を変更しなければならないため、膨大な時間と労力のいる作業を繰り返すことになります。中国での就職活動というのは、日本ほど開始時期は早くないのです。またさらに、中国では就職活動に明確な期間はなく、優秀な人材であればいつでも入社が可能なんです。反対に日本では活動時期も決まっているので、就職活動一つにスケジュールが絞られてしまうので非常に大変だと思います。
そうした「日本式就職活動」の苦しい期間、私は自分に正直であることを大切にしました。たとえ自身に不利になるような事実だとしても、嘘はつかず自分自身の本音を武器に立ち向かいました。これはとても勇気が要ること。就職活動の間は、自身の強みを見つけることができず苦しみましたが、自分のスタンスを決めてからの面接では堂々と自信をもって自分自身の考えを伝えることができたと思っています。
「理想を常に追い求められる今はとても幸せ」。挑戦したい人を歓迎する東京という地
そうした就職活動を経て、現在は社会人として2年目を迎えますが、一つひとつの仕事に対して丁寧に取り組み、さまざまなバックグラウンドを持つ人々とコミュニケーションを取れる環境があることが魅力的に感じています。そして、何より今、私が幸せに感じるのは、自分のしたい“理想”を常に追い求めることができるということ。中国ではちょっとしたことなどですが、価値観が合わないと感じ、閉塞感を持つこともありました。けれど、今の職場環境では、国籍・バックグラウンドを問わずみんな教養を持っていて、自分自身の価値観や考え方と合っていると感じます。私は女性なので、家族や故郷の人たちからは「安定した仕事について将来を見据えなさい」など、よく求められますが、若者は都会に出て、自分のしたいことをし、常に挑戦していろいろな経験をするべき!と考えています。そういった意味においては、東京は適した土地だと感じています。
そのように、理想を持ち、それを実現できる環境を探してきた私ですが、これからこの会社で実現していきたい目標を持っています。外国人の就職に限定するのではなく、就職前、就職後の支援や教育を行い、日本で活躍したい、働きたいと願う外国人の方の可能性を広げること。ここ、JELLYFISHは、留学・教育・就職をシームレスに展開している事業を展開しているのでそれが叶う環境なのです。また、仕事を探して困っている外国の方にとって、「JELLYFISHに行けば解決の手立てが見つけられる、仕事探しはJELLYFISH」というような認識を持っていただけるように、私自身の活動を深めていきたいと考えています。(photo by mark sebastian)
最後に、日本での就職を希望する外国人の方々へメッセージをいただきました。
『仕事を得る機会を待つのではなく、いま自分にできることを思い立った時から努力し続けることが大切だと思います。そして、早い段階で自身がどのような方向性をもって仕事をしていきたいのか見つけ、その方向性にあった力をつけていく事が大切だと思います。』と、
きらきらした瞳で語ってくださった万さん。ご自身が積み重ねてきた日々の経験や努力が、今の万さんから静かな自信として感じられました。
■インタビュアー:田中 美奈子(早稲田大学3年生)