奥多摩町:河村 文夫町長に聞いた!『覚悟を決めて取り組む』 先進的な閉校活用事業に賭ける思い

JELLYFISHが奥多摩町とタッグを組んで挑む、新たなる地方創成の形。詳しくはこちらをご覧ください!さて、今回はこの事業を閉校活用事業として採択を指揮した奥多摩町の河村 文夫町長にインタビューを行いました。

奥多摩に外国人留学生を招いて日本語学校をつくる、さらにITエンジニアタウンとするという事業計画は、いろいろと非常に先進的な事業です。この事業を選んだ決め手はどういったところだったのでしょうか?

(河村町長)事業者選定時におけるプレゼンテーションがとにかく熱意にあふれていて感銘を受けました。この熱心さが決め手と言えます。この新しい取り組みに、若い人たちが熱意を込めて進めていくということに、やる気を非常に感じることができたのです。そうした事業者に託せば、時間はかかっても成功すると確信しました。とはいえ、困難はあるでしょう。だからこそ、町も一緒になって取り組んでいくことが成功には欠かせないと考えています。

先進的ゆえに住民の方々のご理解を得ていくのは難しいこともありそうです。どう進めていかれますか?

(河村町長)新しい取り組みなのですから、もちろん問題は出てくるはずです。けれど、いったんやると決めたのだから、リスクを想定しつつもそれを無くす努力を同時に行っていく。そうした対応を素早く取っていくことです。リスク想定は住民目線で素早く行うことが欠かせません。新しい取り組みには障害が出るもの。時間をかけずにその都度素早い対応をしていく繰り返しが重要です。問題が起きないようにする努力と、起きたことから解決する、この繰り返しから学び次に生かしていくことが欠かせません。IMG_4488

 この取り組み自体、一朝一夕ではなく長期的展望のもとに採択しています。町に大きな変革を生む事業だからこそ、「育てていく」という長期の視点が必要です。しかし、私たちは成功の確信を持っていますので、無用な懸念はないのです。日本語学校および IT エンジニアタウンという、これまで奥多摩町になかった二つの潮流を生むこの事業は、これまで閉校利用事業と言えば介護や福祉事業が多かったことを考えると、非常に画期的となります。そのため、本事業が成功すれば、新たな閉校活用モデルの提示を全国に対しても示すことができるものと考えているのです。そうしたロールモデルにもなるよう、また、住民の理解をスムーズに生むよう、すべての過程を公開して進めてまいります。そうしたことで安心、安全な町としても発信を続け、若者の I ターンや U ターンを長い視点でつなげていきたいところです。

奥多摩町の一般的なイメージは保守的な方かと思います。けれど、今のお話を伺っていると、もしかして革新、「攻めの奥多摩」なのでは?と感じますがいかがでしょうか。

(河村町長)そう思っていただいて結構ですよ。保守のなかの革新、これが大切。町は生きているものであり、継いでいくものでもあります。私は12年に渡り町長をやってきてその間、長いこと財政がひっ迫していました。それを地道に改善策を打ち続けた結果、将来的な奥多摩の負担を減した実績に自負があります。子育て支援なども堅実に対応策を示してきてその結果が少しずつではあるが出てきています。IMG_4503(河村町長が「その熱意に打たれた」と言った、JELLYFISH 田中代表とともに)

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ASEANはこれからさらに発展することは間違いがなく、総じて留学生らは努力家で勤勉。知識のある学生が来日することになるので、彼らとの交流が文化的にも政治的にも、多くの面でしなやかに奏功すると期待しています。この学校から生まれゆく人材たちが次なる世代を担い、国と国との問題なども友好的に解決していくことができれば素晴らしいことだと思っているのです。

奥多摩町では、「人 森林 清流 おくたま魅力発信」と掲げています。

KIMG0923(河村町長)人はとにかくみんないい人ばかりです。みんな自治会に入っていますし、防犯の面でも非常に安心できる環境にあります。また、観光は通年力を入れてきましたが、たとえば森林セラピー。「森林セラピーロード」として、散策ロードを5本設定しました。

ここでは森林のなかでノルディック・ウォークやストレッチ、ヨガなどを行ったりします。特筆すべきこととしては、この5本のロードの内1本をたとえば3年ほどかけて身体障碍の方も散策できるロードに整備しました。また、森林浴が「なんとなく健康によい」ということではなく、医学的見地に基づいたメニューを講じています。フィトンチッドという森林特有の成分がどうストレス減少に効果的かを、散策前と後で唾液から検出するなど、科学的分析手法を取り入れた真に健康に有益であることを示す新たな本格的セラピーです。
ま た、散策を安全に効果的に進められるための「奥多摩町森林セラピーアシスター」を育成し、20名の参加者に2名ほどのアシスターが森林散策にサポートします。こうした取り組みは、観光ブームにのって一過性に終わるものであってはいけない。保有する特有の自然資源を有効に活用し、長期的に根付いていく施策を、こうした取り組みのように進めていっているのです。

ありがとうございました。

【取材を終えて】

河村町長はこの事業を、目の前の課題を解決する可能性として見定めつつも、長期的に育成し地域に確実に根づいていくことを目指していらっしゃいました。「困難だからやらない」のではなく、「困難だけれど必要だから覚悟を決めて取り組む」と、力強く宣言される姿勢が新たな奥多摩の片りんとして既に発信されているのを感じました。

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