
皆様こんにちは!シロフネ編集部です。
今回は『外国人材を採用する際に知っておくべき日本語の目安』についてお話したいと思います。
最近では日本語を必要としない外国人求人や外国人エンジニア求人が増えてきておりますが、まだまだ日本人が外国人と働くにあたっては日本語はできる限りあってほしいもの。
社内がグローバルな環境で英語での仕事がまったく問題ない人材が揃っていれば良いですが、どうしての我々日本人には"英語"のハードルは高いですよね…。(筆者もその一人です。笑)
とはいえ、いざ外国人材を採用するとなった際には、日本語レベルがどの程度必要なのか?日本にいる外国人材のレベルはどの程度なのか?を把握しておく事でより貴社にマッチした人材の採用が可能となるかと思います。
この記事の目次
■日本語能力試験1級(N1)+ ◯◯◯(スキル要件)の人材は希少
さて、外国人材求人のニーズとして一般的に多い(わかり易い様に大雑把に分けます)ものが、
”日本語能力試験1級(N1)+◯◯◯(スキル要件)”
です。
外国人材を採用する際に求める日本語能力でいうと、我々英語が苦手な日本人からすると日本語能力試験1級(N1)当然の要件かと思われます。
が、
実際は日本語能力試験1級を持っている方は、漢字圏の国(中国、韓国、台湾等)の人材が比較的多い(試験の読み書きで点数が取り易い)のが現状です。
一方で非漢字圏の国の人材からすると、漢字の読み書きが非常にハードルが高く、日本語能力試験での獲得点数が低くなってしまう傾向にあります。(もちろんそれだけハードルが高くても1級保持者はいらっしゃいますよ!)
大学で日本学科に所属(文系)し4年間学んでいた方であればN1を取得していることはほとんど当然といって良いですがエンジニアを目指す方(理系)の方でN1を取得している人材はほとんどおらず、超超希少価値の高い人材となり、それなりの条件が揃わないと採用が難しくなってしまいます。
引く手数多の"日本語能力試験1級(N1)+ ◯◯◯)を超大手企業や、メガベンチャーと競い合って採用できれば良いですが、相当な労力が必要となるでしょう。
■どの様な日本語レベルの外国人材をターゲットとするべきか?
外国人材を採用する際には求めるポジションやスキルセットによって必要最低限の日本語能力を設定していくと良いと思います。
例えば、エンジニア(理系)人材であれば
”日本語能力試験3級(N3『相当』)+ PHP経験3年以上”
等です。
ここでのポイントは日本語能力試験3級(N3)とありますが、N3取得を必須条件としないことです。エンジニア人材の場合はエンジニアリングスキルを磨きながら日本語能力試験対策の勉強を行っていくことは非常にハードルが高く、取得を条件としてしまうと途端に母集団が限られてしまうためです。
一方で、独学での勉強、知人、職場での環境から仕事でのN3相当とした場合でも、コミュニケーションに支障がない方もいるので必須条件にしないことで対象母集団は大きく広がります。(日本語でのコミュニケーションレベルは面接で見極めることになります)
面接でコミュニケーションレベルを図る場合は、実際に業務でコミュニケーションをとる方に同席頂いて面接に望まれると人事、現場担当者共に業務に必要な日本語レベルをより具体的にをイメージしやすくなるでしょう。
では次に、接客・その他系(文系)人材はどうでしょうか?
”日本語能力試験2級(N2『相当』) + 海外向けマーケティング経験2年以上”
先程のエンジニア人材の場合は、『相当』とすることで母集団を広げるとお伝えしましたが文系人材の場合は職種によって取得を必須にするべき場合もあるのでこちらは職務要件によって調整が必要となります。
上記例の様なマーケティング職の場合は社内での業務、やりとりが多くなると思いますのである程度アバウトな日本語レベルでも大きな問題にはならない可能性がありますが、窓口で日本語を使用する場合や、日本人顧客とのやりとりが発生する場合には、取得を必須要件としていた方が無難かと思います。
※日本語能力試験についての詳細は以下過去記事を参照ください。
■まとめ
日本語能力試験の定義を理解した上で以下を参考して貰えればよいかと思います。
エンジニア(理系)外国人材の場合
日本語能力を”N◯取得必須”とするのではなく、”N◯相当”とするだけで『日本語能力 + エンジニアリングスキル』をもつ希少人材から対象を広げることができる。
接客系・その他職種(文系)外国人材の場合
職種によっては、日本人顧客対応をする場合もあるため、職務内容によって”N◯取得必須”と”N◯相当"を使い分ける。特に読み書きの能力や、言葉遣い(語彙力等)を重要視する場合は人材要件に”N◯保持者”としている方が無難。
■最後に
日本語能力試験という一定の参考基準はありますが、企業業務や、風土、文化によっては日本語能力の定義のギャップが生まれるのが実態です。日本語能力試験◯級の中でも読解能力や、会話能力で上、中、下の様な差がありますし、日本語検定1級を持っていても業務上の会話が難しい人材もいます。日本語能力試験2級しか持っていないものの、業務上のコミュニケーションに何ら支障のない人材もいます。(非漢字圏の2級保持者等)
外国人採用で日本語力の定義を迷われている際は、自社の業務で必要な日本語能力をきちんと職務に照らし合わせて因数分解することをオススメします。どの様な場合に、どのレベルで必要なのか?をしっかり理解、把握することで、採用競合バッティングしない様に採用戦略をたてていくことも可能となるかと思います。
いかがでしたでしょうか?今回は『外国人材を採用する際に知っておくべき日本語レベルの目安』について書かせて頂きました。
少しでも読者の皆様の参考になれば幸いです。