企業側・応募者側ともに、オンライン採用には感染症の予防以外もメリットが多数あります。
今回は、オンライン採用のメリットや、採用を成功させるコツについてご紹介していきます。
オンライン採用ならではのデメリットや注意点についても解説しますので、ぜひ最後までお読みください。
この記事の目次
オンライン採用とは
オンライン採用とは、その名の通りオンラインツールを利用して採用活動を行うこと。
ビデオチャットでweb面接を行なったり、ウェビナーで会社説明会を行ったりすることを指します。
以前から、少数の企業では導入されていましたが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて近年急増しています。
今回の記事では、主に感染症予防以外の観点で、オンライン採用を行うことのメリットについて解説していきます。
オンライン面接のやり方やコツ、使用ツールなどを詳しく知りたい方は、「オンライン面接とは?成功のコツや各ツールの特徴を解説」をご覧ください。
企業にとってのオンライン採用のメリット
企業側から見たオンライン採用のメリットは、大きく分けて以下の4つがあります。
幅広く募集できるため、優秀な人材に出会いやすい
オンライン採用の第一のメリットは、面接のために直接来社してもらう必要がないので、応募者の現在の居住地を問わないこと。
採用後もリモートワークで勤務する予定であれば、さらに幅広い人材を対象にできます。
居住地で限定した場合に比べ、母数が何倍にもなるため、そのぶん優秀な人材に出会いやすいです。
もちろん、海外への募集も可能なので、海外事業を展開したい企業や、外国語対応スタッフが必要な企業にも最適です。
コストを抑えて効率的に採用できる
オンライン採用を導入することで、会社説明会や面接を実施するための会場費や交通費を削減することができます。
一件あたりの面接や説明会にかかる時間と手間も少なくなるため、時間的コストの削減にも役立ちます。
面接を共有できて比較がしやすい
オンライン面接と対面での面接の大きな違いは、面接の様子を録画しておけること。
複数の応募者の面接の様子を後から見比べたり、違う面接官が担当した応募者同士を比べたりして、より適切な判断ができます。
もちろん、面接を録画する場合には事前に応募者の許可を得ておきましょう。
移動が不要なため日程調整がしやすい
オンライン採用は、採用担当者・応募者ともに自宅からでも面接ができます。
本来は会社まで何時間もかけて来てもらったり、宿泊が必要になったりするような、遠方の応募者とも面接の日程調整がしやすいです。
まだ来日していない外国人や、時差の関係で通常の営業時間に面接できない外国人との面接にも役立ちます。
応募者側のオンライン採用のメリット
応募者側から見たオンライン面接のメリットも、大枠では企業側のメリットと変わりません。
移動の必要がないのでスケジュールが調整しやすく、会社まで訪問するための交通費も節約することができます。
また、直接来社での採用だと視野に入らない、遠方の会社にもアプローチできることも応募者側のメリットです。
オンライン採用のデメリット
オンライン採用には、メリットだけではなくデメリット面も存在します。
デメリット面もきちんと把握した上で、適切にオンライン採用を導入しましょう。
技術的な問題
オンライン採用の実施には、当然ながらインターネット環境とPC・スマホ等の機器が必要になります。
採用担当者・応募者ともに、最低限これらのツールを利用できるスキルがないと、面接自体が行えません。
会社側は必要な機器を経費で揃えることもできますが、応募者側に環境を整備するよう強制はできないので、その点で人材の幅が限られてしまうことも。
通信状況が悪いと、映像や音が途切れたりして、スムーズに面接できないこともあります。
そういった場合に備えて、通信速度は事前テストで確認しておいたり、もし通信がうまくいかない時はどう対応するか決めておいたりといった対策が必要です。
ミスコミュニケーションが起きるリスク
オンライン面接のみでの採用は、入社後のミスマッチに繋がるリスクが高いです。
オンラインでの面接は、直接会っての面接よりも、どうしても伝わる情報量が少ないです。
Web上は良いと思った応募者が、実際に会うとイメージが違ったということもありえますし、その逆も起こりえます。
応募者側からしても、社内の雰囲気や社員の様子など、面接のために会社に足を運んだ時に得られる情報がありません。
感染リスクや、応募者の居住地との兼ね合いもありますが、やはり正式採用までには一度は直接顔を合わせておいた方が安心です。
オンライン採用を成功させる4つのポイント
最後に、オンライン採用のメリットを生かして成功させるための、4つのポイントをお伝えします。
技術面を整備しておく
オンライン採用をスムーズに実施するためには、安定したインターネット回線と、画質・音質が十分なカメラ・マイクが必須です。
本番の面接でトラブルが置きないように、まずは社員同士などでテストを行なって、技術面が十分かどうかを確認しましょう。
また、照明やカメラの設置位置なども適切かどうか、事前に確認しておきます。
面接官のスキルをブラッシュアップする
web面接では、対面での面接より少ない情報から、応募者の適性を判断しなければいけません。
また、web上だと無意識に距離感が遠くなりがちなので、応募者の本心を上手に引き出すスキルも必要になります。
オンライン採用を導入する時には、事前に質問項目を見直したり、ロールプレイングを実施したりなどして、面接官のスキルをブラッシュアップしておくのがおすすめです。
オンラインならではのマナーに注意する
オンライン採用は新しい手法なので、まだ「これが正解」というビジネスマナーが確立されているわけではありません。
しかし、応募者に不快感を与えないよう、相手の感じ方に配慮した対応を心がけましょう。
例えば、オンラインならではの配慮には、以下のようなものがあります。
・服装はスーツ・ビジネスカジュアルなど、普段の出社時程度には整える
・表情がよく見えるよう、照明やカメラ位置を工夫する
・面接を始めるときは、いきなりビデオ通話を発信せず、メッセージで確認を入れる
・画面ではなく、カメラをまっすぐ見て話す
・タイムラグを考慮し、相手が話し終えるまで待ってから発言する
・通話を切るときは、終わりの挨拶からしばらく時間を置く
など
他の採用方法とも併用する
オンライン採用は、応募者からどうしても軽く見られがち。
コストや時間をかけなくても参加できる気軽さや、応募者の母体数が大きくなるため、応募者一人あたりの比重が低くなることが理由と考えられます。
そのため、オンライン採用だと、従来の採用方法より辞退者が多く出ることも予想できます。
また、広く求職者にアピールする力は、知名度の高い大手企業ほど強いです。
知名度の低い企業は、オンライン採用だけでは十分な人材が確保できない可能性も。
広く募集をかけるオンライン採用と並行して、マッチ度の高い人材をピンポイントで確保する方法も検討する必要があります。
ダイレクトリクルーティングやリファラル採用といった、別の採用方法も取り入れるのがおすすめです。
リファラル採用について詳しくは、「リファラル採用とは?メリット・採用成功のポイントまとめ」を、ダイレクトリクルーティングについては「ダイレクトリクルーティングとは?従来の手法との違い」をご覧ください。
まとめ
新型コロナウイルスの感染拡大を契機として、オンライン採用を導入する企業が増えています。
コスト・時間・手間の削減や、応募者の母数が大きくなるといったメリット面も多いですが、技術面の問題などオンライン特有の注意点も。
オンライン採用は、適切な準備を行なって、メリットをきちんと活かせるように導入しましょう。