
新型コロナウイルス流行を背景として、オンライン面接を導入する企業が増えています。
実際に同じ場所に集まることなく面接ができて便利な反面、オンラインならではの注意点もあります。
今回は、そんなオンライン面接におすすめツールや面接の準備方法をご紹介。
当日面接を成功させるコツや、面接後のフォロー方法まで詳しく解説します。
この記事の目次
オンライン面接とは
オンライン面接とは、ビデオチャットツールを利用して実際に対面せずに面接を行うこと。
あとで詳しく解説しますが、「ZOOM」「Googleハングアウト」「Skype」などの無料ツールがよく用いられます。
以前から、遠方の応募者を選考するときなどに取り入れられていましたが、新型コロナウイルスの流行を背景として近年急増しました。
オンライン面接のメリット
まずは、オンライン面接を実施する3つのメリットをご紹介します。
新型コロナウイルス感染対策になる
オンライン面接の第一のメリットは、新型コロナウイルスの感染対策になること。
そもそも、これが理由でオンライン面接を導入したという企業が多いです。
オンライン面接なら、お互いがどこにいても面接ができるので、採用担当者・求職者ともに人との接触リスクを減らすことができます。
遠方の応募者や外国人とも簡単に面接できる
オンライン面接なら、遠方の応募者や外国人とも簡単に面接ができます。
遠方から就職面接を受けに来る場合、30分の面接のために何時間も電車に乗ったり、時には泊まりになったりという人も少なくありません。
そういった交通費・宿泊コストを企業・求職者どちらが負担するかはケースバイケースですが、どちらにせよオンライン面接ならコスト削減になります。
また、来日前の外国人を面接する場合にも、オンライン面接は大変便利です。
録画可能なので、振り返りができる
オンライン面接と対面での面接のもっとも大きな違いは、録画ができること。
対面での面接だと、時間が経つごとに印象が曖昧になり、候補者を正確に比較できないことがあります。
例えば、2人の候補者のうちどちらかに決めかねた時、オンライン面接の録画があればもう一度態度や回答を再検証できます。
また、違う担当者が面接した候補者同士の比較も可能になります。
ただし、録画をする場合には候補者に無断で行わず、録画をしていることと、その記録を選考に利用することがある旨を予め伝えておきましょう。
オンライン面接のデメリットや課題
オンライン面接には、デメリット・課題も存在します。
当然、対面の面接よりも伝わる情報量が少ないので、オンライン面接のみで採用を決めるのは難しくなります。
通信状況に左右されやすい
オンライン面接は、通信状況が悪いと映像や音声が途切れたり、遅延が起きたりしてスムーズに進まないことがあります。
応募者側にしっかりしたネット環境がないと、面接の実施自体が難しいこともデメリットです。
通信の不備で聞き取れないことがあっても、応募者側からは聞き返しづらいこともあります。採用担当者は随時気を配ってフォローすべきでしょう。
応募者・企業ともに全体像が見えにくい
オンライン面接では、カメラに映っている範囲しか見えないというのもデメリットです。
例えば応募者がカメラの外で足を組んだり貧乏揺すりをしていたりしても、企業側からはわかりません。
本来ならば選考には影響しない、応募者の自宅の様子などが無意識に評価に影響してしまうということもありえます。
また、応募者にとっては、会社に訪問した時に見えるオフィスや社員の様子も貴重な情報源なので、そういった情報が得られないというデメリットもあります。
各オンライン面接ツールの特徴は?
オンライン面接には、「ZOOM」「Googleハングアウト」「Skype」の3つのツールが多く使われています。
それぞれの特徴について、解説していきます。
ZOOM
ZOOMはアプリやソフトのインストールが不要で、ブラウザで使用できるのが特徴のオンライン面接ツールです。
ホスト以外はアカウント登録も必要ないため、応募者は特に準備をせず参加できます。
100人までの同時接続も可能なので、しようと思えば集団面接や、複数の面接官による面接も可能です。
ただし、ZOOMはセキュリティ面に不安があるという声もあり、使用を禁止する企業も出てきています。
ZOOM利用にかかる費用
基本:無料
プロ:14.99ドル/月
ビジネス:19.99ドル/月
企業:19.99ドル/月
Googleハングアウト
Googleハングアウトの特徴は、Googleアカウントを持っている人なら無料で使えること。
同時通話は最大10人まで、使用デバイスが多くなると通信が悪くなるなどの制限もありますが、誰でも気軽に利用することができます。
オンライン面接の導入が、新型コロナウイルス流行が落ち着くまでの一時的なものだという企業では、Googleハングアウトで十分でしょう。
Googleハングアウト利用にかかる費用
無料
Skype
Skypeは、無料のチャット・ビデオ通話ツールの老舗とも言える存在です。
他のサービスより歴史があるぶん知名度が高く、利用に抵抗感がないことが特徴といえます。
ただし、利用にはソフトのインストールやアカウント登録といった準備が必要で、手間がかかるというデメリットがあります。
Skypeが発表した新サービス「Meet Now」では、アプリ・アカウント登録不要かつ、Skypeと同じ操作性でオンライン面接やウェブ会議が可能です。
Skype利用にかかる費用
基本:無料(固定電話への通話料は別途)
Skype for Business Plan1:220円/月
Skype for Business Plan2:600円/月
オンライン面接のやり方
オンライン面接を実施するには、まずネット環境・PCかスマホ・ウェブカメラ・マイク・イヤホンが必要です。
企業では経費で購入できますが、応募者側にこれらを買い揃えることは強制できないので、オンライン面接の環境が整っているかどうか確認しましょう。
オンライン面接の環境が整ったら、以下のステップで準備を進めていきます。
1.メールまたは電話で日程調整2.アカウント登録・交換(必要な場合)
3.決定した日時にミーティングを設定
4.参加URLを応募者に共有
5.当日に面接開始
オンライン面接を成功させるためのコツ・注意点
最後に、オンライン面接を成功させるための3つのコツをご紹介します。
事前に環境を整えておく
オンライン面接がスムーズにできるかどうかは、通信環境に左右されます。
wi-fiや4G回線でも通話自体はできますが、通信が安定した有線接続の方が理想的です。
デバイスは目線と同じ位置に固定し、背景や照明は事前にカメラテストを行なって確認しておきましょう。
カメラの画角に余計なものが写り込まないようにし、表情がはっきりわかる明るさに調整します。
面接中は動作が重くなったり音が入ったりしないよう、通話ツール以外のアプリケーション・ソフトは切っておきましょう。
服装は、応募者はスーツで臨むことが多いため、それに合わせたスーツやビジネスカジュアルがおすすめ。
応募者を待たせないよう、採用担当者は5~10分前にはログインしてスタンバイしておきましょう。
面接中は応募者との対話を意識する
オンライン面接は対面の面接とは情報の伝わり方が違うため、画面越しでも好印象を与えられる対応が必要です。
まず、応募者と話をするときには、画面ではなくカメラを見て話しましょう。
カメラは画面上部に付いているため、画面を見ていると伏し目がちに映ってしまいます。
また、通信が途切れたり遅延したりすることもあるので、普段よりゆっくりはっきり話すように心がけます。
特に、外国人を面接する場合には、より易しい言葉で話すようにしましょう。
万が一、接続が切れた場合などトラブルがあった場合には、「ログインしたまま再接続を待つ」「一旦退出して再度セッティングする」など、対処法を事前に決めておくのがおすすめです。
面接後のフォローを忘れずに
オンライン面接は直接顔を合わせないぶん、無意識に軽く捉えられてしまいがちです。
魅力的な人材を確保するためには、フィードバックやお礼といった面接後のフォローが大切。
メールやLINEなど普段使っている連絡方法で、結果通知までに一度メッセージを送っておきましょう。
オンライン面接終了後すぐに送信できるように、大まかな文面などは前もって準備しておくのがおすすめです。
まとめ
新型コロナウイルス流行を背景に、オンライン面接を導入する企業が増えてきました。
オンライン面接には注意点やデメリットもある一方、遠方の応募者とでもいつでも面接できるため便利です。
特に外国人採用を考えている企業では、新型コロナウイルス収束後も利用する機会はあるでしょう。
今のうちから、オンライン面接のノウハウを蓄積し、多様な採用方法に対応する準備をしておくのが大切です。