面接官は、短時間で応募者の本質を見極めなければいけない難しい仕事です。
面接官のスキル次第で、その後の内定辞退の数や定着率、ひいては会社全体の成長にも影響が出ます。
今回は、面接官が押さえておくべき6つの質問パターンと具体的な質問例を掲載。
面接官としての心構えや、逆にNGな質問・行動もご紹介します。
この記事の目次
面接官必見!6つの質問パターン
面接官を務める時、「何を聞いていいのかわからない」という方も多いでしょう。
面接では、限られた時間内で応募者から必要な情報を引き出し、適性を見極めなければいけません。
まずは面接で使える6つの質問パターンと、それぞれの役割について知っていきましょう。
アイスブレイクで使える質問
面接の冒頭では、まずアイスブレイクとなる軽い質問を投げかけると全体がスムーズに進行します。
内容は季節や時事に関することや、応募者と自分の共通点に関することが良いでしょう。
まずは応募者に心を開いてもらうことで、以降の質問で率直な回答が得られやすくなります。
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- 今日は何線で来られましたか?
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- もう桜が開花したそうですね。ニュースはご覧になりましたか?
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- 履歴書を拝見しましたが、○○がご趣味なんですか?
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- ○○大学のご出身なんですね。○○先生をご存知ですか?
など
志望理由・仕事観を尋ねる質問
志望理由や仕事観は、採用活動をするなかでもっとも重要な要素です。
志望度や入社後のビジョンを確かめることで、内定辞退や入社後のミスマッチを防ぐことができます。
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- 当社の志望理由を教えてください。
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- 弊社に対してどんなイメージをお持ちですか?
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- 当社でどんなことを実現したいですか?
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- この仕事(業界)を志望した理由は何ですか?
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- 業界の今後についてどのようにお考えですか?
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- 同業他社は数多くある中で、当社を選んだ理由は何ですか?
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- 会社選びで何を重視していますか?
など
自社に対する理解度や意欲を確かめるとともに、業界全体について質問することでより大きなビジョンを引き出すことができます。
また、同業他社と比較したり、会社選びで重視することを尋ねたりすることで、志望度の高さを測ることが可能です。
職務適性を確認する質問
仕事や業界を志望する気持ちだけではなく、実際に働くにあたって適性があることも重要です。
実際に持っているスキルや、過去のエピソードを質問することで、どのような適性がある人なのかを見極めることができます。
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- 前職ではどのような業務を担当されていましたか?
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- 業務を円滑に進めるために、工夫していたことはありますか?
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- 業務を通じて最も努力してきたことは何ですか?
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- 当社では~の場面で英会話が必要ですが、その程度の英語は話せますか?
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- 業務にはどのようなツールを使用していましたか?
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- 社内や顧客とのコミュニケーションはどのように取っていましたか?
など
性格・価値観を見極める質問
職場の雰囲気に馴染み、長く働いてもらうためには、性格や価値観が自社の社風に合っていることも大切です。
環境に馴染めれば、職務スキルは後から身につけられる部分もあるため、意外に重要な要素です。
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- 性格の長所・短所を教えてください。
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- プライベートの友人からは、どんな性格だと言われますか?
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- これまでの人生で挫折したことはありますか? その時どんな対処をしましたか?
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- どんな環境だと、あなたのパフォーマンスがより引き出されると思いますか?
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- 前職場でストレスに感じていたことはありますか?
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- 人間関係で困ったことはありますか? その対処方法は?
など
経歴・退職理由についての質問
中途採用の場合、経歴や退職理由について知ることで、応募者の仕事に関する考え方や、詳しいスキルが確認できます。
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- これまでの経歴を簡単にご紹介ください。
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- 経歴の中で、〇〇のプロジェクトに関わった部分を詳しく聞かせてください。
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- 代表的な実績や、成功体験はありますか?
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- (ブランクがある場合)ブランク期間の理由はなんですか?
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- (転職回数が多い場合)転職回数(経験職種)が多いのはなぜですか?
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- 転職(退職)を決めた理由をお聞かせください。
など
外国人応募者に尋ねる質問
外国人を採用する場合、面接では日本人とは違った質問が必要になります。
職務適性の他に、日本での滞在予定期間や、語学スキルについて確認しましょう。
また、日本の職場に馴染めるかどうかという適性を見極めるのも大切です。
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- 来日されて何年になりますか?(海外在住の場合)いつ来日できますか?
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- 日本で働きたい理由は何ですか?
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- 来日することになったきっかけを教えてください。
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- 日本の永住権取得・帰化は考えていますか?
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- 帰国する頻度はどれくらいですか?
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- 日本の良いところ・悪いところを教えてください。
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- 日本の文化や日本人の考え方で、疑問に感じることはありますか?
など
面接官が質問の前に心掛けるべきこと
面接官は、応募者の適性を見極めるだけではなく、会社の顔として応募者に良い印象を持ってもらわなければなりません。
以下のようなポイントを心掛け、良い面接官として印象付けられるようにしましょう。
面接官の役割を理解する
面接官の役割は、大きく分けて3つあります。
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- 採用する人材を見極める
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- 良い人材を入社に導く
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- 会社の広告塔になる
面接官は応募者の将来を左右する力があることから、自分自身が偉くなったように錯覚してしまいがちです。
しかし、あくまでも面接官の役割は、会社のために良い人材を見極めて採用すること。
会社の窓口となる広告塔であることも意識して、謙虚な態度で面接に臨みましょう。
服装や身だしなみを整える
応募者から見ると、面接官は会社の代表者です。
その代表者がだらしない身だしなみだと、「この会社の人は皆だらしないのかな…」と不安にさせてしまいます。
選考辞退や内定辞退にも繋がりかねないので、面接官を担当するときには人前に出ても恥ずかしくないよう、しっかり身だしなみを整えましょう。
リラックスできる雰囲気を作る
堅い雰囲気で応募者が緊張してしまうと、質問をしても良い答えを引き出せません。
応募者の本質を見極めるためには、本心で話してもらう必要があるため、リラックスできる雰囲気作りを心掛けましょう。
面接はアイスブレイクできる軽い質問や雑談から始め、お互いに心を開くところから始めます。
面接官の方から挨拶をする
面接の場では、圧倒的に面接官の方が優位な立場にあります。
応募者から話を切り出すのは難しいので、面接官から進んで挨拶し、威圧的にならないようにしましょう。
できれば名刺を渡すと、初手から応募者を尊重していることが伝わり、好印象を与えられます。
応募者側としても、後日確認したいことができた時などに手元に名刺があると便利です。
ただし、応募者側は企業の一員ではなく一個人として面接に臨んでいるので、名刺が返ってこなくても「失礼」とは捉えないようにしましょう。
自己開示をする
面接官初心者にありがちな失敗が、自己開示をせず、聞きたいことだけ聞いて応募者を帰してしまうこと。
面接官の社内での立場や、募集に至った背景がわからないと、応募者側もアピールポイントが曖昧になり、あまり良いエピソードを引き出せません。
また、「よくわからない」ことが理由で志望度が下がり、選考辞退や内定辞退を招くリスクもあります。
面接の最初に、面接官の立場と募集の背景についてはきちんと説明しておくようにしましょう。
面接官が注意すべきNG質問・タブー
最後に、面接官は以下のような質問・行動をしてはいけません。
✖ 本人の自由であるべき事項(宗教・信条・支持政党など)に関する質問
✖ 人種・性別・年齢・容姿・趣味嗜好などに関する差別的な発言・質問
✖ 面接官に利益を計らうことが、選考に影響すると思わせる発言
✖ 他社や応募者を批判する発言
✖ 応募者への敬意を欠く態度(遅刻・腕組み・しかめ面・目を合わせないなど)
また、合否の判断基準が面接官ごとに違ったり、毎回の面接で態度や質問内容にブレがあったりするのも問題です。
このような事態を避けるため、面接官を務める人には事前に研修を行い、正しい面接方法や適切な振る舞いを身につけるのが望ましいです。
まとめ
面接官を務める時には、一つ一つの質問の意図をきちんと考えることが大切です。
「なんとなく聞きたいから聞く」のではなく、その質問によって応募者のどんな要素を見極めたいか定めることで、より良い面接ができるようになります。
また、面接官は会社の広告塔でもあるので、NGな質問や行動は慎み、適切な態度で応募者と接する必要があります。