外国人が最も多く在住しているエリアはどこ?ランキング形式で紹介!

平成30年6月時点の在留外国人の数は、263万7251人(法務省調べ)で、前年に比べて約7万人の増加となっています。この在留外国人の数は過去最高で、今後も増えることが予想されています。

全国各地でコンビニエンスストアやドラッグストアなどで働いている外国人を見かける機会が多くなりましたが、日本で一番外国人が多い地域はどこなのでしょうか。
当記事では、全国で在留外国の人口が多い地域と、その理由についてご紹介いたします。外国人採用を検討する上でもぜひ参考にしてください。

日本で一番外国人が多い地域はどこ?

日本で一番外国人が多い地域はどこなのでしょうか。上位から順にご紹介いたします。
なお、情報は2018年現在の総務省調べに基づきます。

外国人人口が多い地域ランキング1位~3位

まずは、1位から3位の地域とその理由をご紹介いたします。

ダントツの1位は「東京都」

外国人人口が多い地域ランキングの1位は、ダントツで東京都です。東京に住んでいる在留外国人の数は52万1,502人で、在住外国人全体の20%を占めています。そのうち労働に従事している人は約22万9,000人で、この数も全国トップです。

ダントツ1位の理由は、多くの企業の本社、教育機関があるため、技術・人文知識・国際業務などの高度人材と留学生が多く集まるからです。

東京の在留外国人の出身国で多いのは中国で全体の41%、続いて韓国・朝鮮の23%、続いてフィリピン、ベトナムとなっています。
中国・韓国出身の人は特に新宿区に多く、アメリカ、ヨーロッパの人は港区に多い傾向にあります。他にも、フィリピンの人は足立区、インドの人は江戸川区など地域によって偏りが生じているようです。また、八王子市は大学がたくさんあるため、留学生が多く在留しています。

なお、東京の年間観光客数は平成28年時点で1,377万人と、日本全体の観光客数の約48%を占めています。羽田空港国際線、秋葉原、浅草、東京スカイツリーなどの有名な観光地があることが影響しているようです。

2位は意外に多い「愛知県」

2位は、23万5,320人の愛知県です。在住外国人の比率は全体の約9.2%で、愛知県に特に多い外国人はブラジル人です。
ブラジル人が多い理由は、愛知県にトヨタ自動車などの日本を代表する企業の工場が集まっていて、そこで働く人が多いからです。

また、外国人留学生も多く在住しています。理由としては時給の高さが挙げられます。愛知県の最低賃金は全国第4位で、他に留学生の多い福岡や沖縄に比べると100円以上高いです。

また、愛知県を訪れる観光客は約263万人で全国第6位、全体の約9.5%を占めています。東京・大阪に比べると少ないですが、全国的には多い場所です。

3位は観光客に人気の「大阪府」

3位は大阪府です。大阪府に在留している外国人の数は22万5,269人で、全体の8.8%となっています。大阪で特に多い外国人は、朝鮮・韓国人とされています。

大阪は、近年観光客に人気の場所となっています。平成29年には約1,111万人の外国人観光客が大阪を訪れていて、これは日本全体で2位の数字です。大阪を訪れる観光客の数は平成23年時点では約158万人で、6年間で7倍も増えていることになります。
その理由としては、フリーWi-Fiの増加、多言語対応に力を入れていること、外国人対応マニュアルがある箇所が多いことなどが挙げられます。
また、観光で大阪を訪れて住みやすいと感じ、大阪へ移住する人も多いようです。

外国人人口が多い地域ランキング4位~10位

1~3位の地域をご紹介いたしました。どこも大都市で、理由も納得なものばかりでしたが、4位以降ではどのような状況なのでしょうか。

4位 外国人にとって住みやすい「神奈川県」

4位は19万8,504人の神奈川県で、全体の約7.5%を占めています。神奈川県は東京の都市部に近く、外国人の受け入れ体制が整っていることが主な理由と挙げられます。また、横浜には日産自動車の工場があり、労働従事者の数も多いです。

5位 外国人向け施設やボランティアが充実している「埼玉県」

埼玉県は16万4,182人の外国人が住んでいて、比率は全国で約6.2%となっています。埼玉県に住んでいる外国人で多いのは中国人で、特にチャイナタウンがある川口市に集中しています。また、ボランティアで外国人に日本語を教えてくれるところが多く、埼玉県は住みやすいところと言えます。

6位 留学生の在住者が多い「千葉県」

千葉県には14万3,351人の外国人が住んでおり、比率は全国で約5.4%となっています。
中国人が最も多く、次にフィリピン、韓国・朝鮮が続いています。千葉県は都内に比べて家賃が安く、バイト先も多いので、外国人留学生にとって住みやすいとされています。なお、千葉県の中で特に在留外国人が多いのは、船橋市と柏市と言われています。

7位 インドの在住者が多い「兵庫県」

続いて多いのが兵庫県で、10万4,056人の外国人が住んでいます。外国人の多くはインド人と言われており、戦後、インド商人が兵庫県で会社を営んでいたことが大きな理由です。現在では、外国人在住者はIT業界にも進出しています。
英語で教育を行うインターナショナルスクールや、礼拝の場である寺院が多いことも住みやすいポイントです。

8位 自動車工場が多く集まる「静岡県」

静岡県に住んでいる外国人の数は8万2,675人ですが、中でも浜松市には約2万人のブラジル人が住んでいて、約4人に1人はブラジル人だと言われています。理由としては、スズキ・ホンダの自動車工場が多いことが考えられます。

9位 観光客も居住者も増加している「福岡県」

福岡県に住んでいる外国人の数は7万1,036人です。福岡県には、国際空港や博多港があり、訪れやすい環境にあります。また、留学生が多く、日本語学校も増加傾向にあります。福岡の食文化にも注目が集まっており、観光客が多いのも在留外国人が多い理由です。

10位 農業・林業の外国人依存度ナンバーワン「茨城県」

茨城県には、6万1,918人の外国人が在住しています。工場地帯が少なく疑問に思われる方も多いかと思われますが、農業・林業での外国人依存度が全国で一番高く、全体では21人に1人、20代に限れば2人に1人は外国人です。特に中国、インドネシア、ベトナム人が多く住んでいます。

外国人人口が多い地域ランキング11位~20位

外国人人口が多い都道府県のトップ10をご紹介いたしました。引き続き、11位から20位を紹介します。

● 11位 京都府(56,951人)
● 12位 群馬県(53,508人)
● 13位 岐阜県(49,168人)
● 14位 広島県(48,316人)
● 15位 三重県(47,671人)
● 16位 栃木県(38,843人)
● 17位 長野県(32,965人)
● 18位 北海道(31,726人)
● 19位 滋賀県(26,547人)
● 20位 岡山県(25,594人)

京都府は、観光客数は全国4位ですが、在住者は11位と少し差があります。住みやすさでは隣の大阪府よりも劣る部分があるからだと考えられます。

12位の群馬県は、スバルなど大手メーカーの工場が多いことが理由として挙げられます。13位の岐阜県と14位の三重県は人口に対する外国人在住者の比率が高く、技能実習生が多いことがわかります。

また、観光客ランキング7位の北海道は18位、33位の滋賀県は19位と観光客と在住者の比率は必ずしも比例しないことも見て取れます。

外国人人口が多い地域ランキング21位~47位

外国人人口が多い地域ランキング21位から47位を一気にご紹介します。

● 21位 宮城県(20,099人)
● 22位 富山県(16,644人)
● 23位 新潟県(15,561人)
● 24位 沖縄県(15,414人)
● 25位 山口県(15,407人)
● 26位 山梨県(15,090人)
● 27位 石川県(13,603人)
● 28位 福井県(13,428人)
● 29位 熊本県(13,411人)
● 30位 福島県(12,784人)
● 31位 大分県(11,876人)
● 32位 奈良県(11,765人)
● 33位 愛媛県(11,591人)
● 34位 香川県(11,532人)
● 35位 長崎県(9,857人)
● 36位 鹿児島県(8,973人)
● 37位 島根県(7,689人)
● 38位 山形県(6,646人)
● 39位 岩手県(6,550人)
● 40位 和歌山県(6,326人)
● 41位 宮崎県(5,699人)
● 42位 佐賀県(5,666人)
● 43位 徳島県(5,558人)
● 44位 青森県(5,039人)
● 45位 鳥取県(4,329人)
● 46位 高知県(4,257人)
● 47位 秋田県(3,760人)

なお、観光客ランキングのワースト3位は、福井県、高知県、島根県です。在留者、観光客どちらにも言えることですが、空港からの移動手段、働く場所、学校の数などが少ないというのが大きく関わっているようです。

今後増加するかも?外国人に人気のエリアは?

今後外国人からの人気がさらに高まると予想されるエリアは、福岡県です。2011年に福岡県に訪れた外国人は59万人ですが、現在は200万人を超えるなど急増しています。背景には、ニューヨークやロンドンなど世界各地で豚骨ラーメンの人気が上がったことが考えられますが、豚骨ラーメン以外の福岡の食文化には世界が注目しています。

福岡市は、居住している外国人の伸び率ランキング(2005年~2015年)も全国1位で、3大都市より伸び率が高いです。また、留学生の多い都道府県ランキングも東京・大阪に続き3位となっています。
また、国際会議の開催件数が増加しているのも増加する可能性のある理由の1つです。今後、ますます福岡のグローバル化は進むでしょう。

まとめ

ここまで、外国人が多い在住エリアをランキング形式にて紹介してきました。外国人が在住している地域は、東京・大阪をはじめとした都市部とその近郊に特に多いです。その他にも、自動車工場などが多い工業地域、国際空港に近い都市部に多い傾向にあります。

一方で、公共交通機関や仕事が少ないなどの理由で多い外国人在住者の多い地域と少ない地域に差があるのも事実です。

少子高齢化もあいまって、今後外国人在住者が増加していくと予想されており、日本人も外国人在住者を受け入れやすい環境づくりを行うことが迫られています。

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