新型コロナウイルスの流行が第三波を迎えるなか、外国人採用は求職者側・企業側ともに厳しい状況です。
採用活動の遅れや求人数の減少など、外国人の就職活動に様々な影響が出ています。
今回は、2021年のコロナ禍の中での外国人採用の現状や、就活・採用成功のためのポイントを解説。
外国人採用を考えている企業へおすすめの、外国人材紹介サービスについてもご紹介します。
この記事の目次
外国からの出入国の現状
2021年1月14日現在、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、日本は様々な国からの入国や、ビザの発給を制限しています。
海外からの入国者は、外国から帰国した日本人を含めて全員に、入国の次の日から14日間の自主隔離が義務付けられています。
また、一時規制が緩和されていたビジネストラック及びレジデンストラックは1月13日から運用が停止され、両トラックによる外国人の新規入国はできません。
ただし、状況は随時変わっていくため、最新情報は外務省「海外安全ホームページ」などでご確認ください。
2021年 コロナ禍における外国人留学生の採用状況
それでは、2021年現在における外国人留学生の採用状況についてお伝えしていきます。
例年と比較した内定率
2021年卒の外国人留学生の内定率は、2020年7月時点で31.5%。
前年同時期は40.6%という結果だったので、10%近くも減少していることになります。
これは、新型コロナウイルスの影響により採用活動に遅延が出ていることや、業績悪化の影響から募集数自体が減っていることが原因と考えられます。
就活への具体的な影響
「新型コロナウイルスの感染拡大によって、自身の就職活動に影響を受けたと思うか」という質問では、「とても影響がある」という回答が半数以上(53.9%)。
「やや影響がある」(37.9%)を合わせると、9割を超える(計 91.8%)という結果になりました。
その影響の具体的な内容について、お伝えしていきます。
参照:https://www.disc.co.jp/press_release/7919/
採用数の減少
調査対象の外国人留学生の中で、「志望企業の採用が中止になった」という回答をしたのは26.8%。
数字としては少なく見えますが、4人に1人が選んでいるという結果です。
また、外国人留学生の内定率は先にお伝えした通り31.5%なのに比べ、同時期の日本人学生は77.7%で倍以上の差がありました。
採用数全体が減少したことで、日本語力などにハンデがある外国人の内定獲得が難しくなっていると考えられます。
大学などの相談窓口が利用できない
「大学のキャリアセンターなどに相談に行けない」という回答は、27.7%となりました。
新型コロナウイルスの感染拡大により、キャリアセンターの受付時間が短縮されたり、構内への立ち入りが制限されたことで、このような影響が出ています。
外国人学生は、日本人学生に比べて日本企業の知識が少ないため、キャリアセンターで相談や紹介が利用できないことで不便を感じやすいと考えられます。
企業を深く知る機会の減少
「企業を深く知る機会が十分にない(足りない)」という回答は、44.0%。
先にお伝えしたようにキャリアセンターなどで紹介が受けられないほか、説明会やイベントが中止になったり、簡易なWEB説明会に変更されたりして、企業を知る機会が限られています。
WEB形式への対応の変更
「WEB形式への変更に対応するのが困難」という回答も、28.3%という結果になりました。
人同士の接触を減らすため、説明会や面接をWEB形式に切り替える企業も登場しています。
しかし、外国人留学生は安定したネット回線やPCなど、WEB形式に対応できる環境を持っているとは限りません。
また、対面ではないことで言葉が聞き取りにくいなど、外国人ならではのデメリットもあります。
技能実習生の採用はどうなる?
技能実習生や特定技能ビザでの入国に関しては、各国の感染状況によっては長期的に入国ができない可能性があります。
また通常の受入れが可能になった場合も、一斉に入出国許可申請が開始されると手続きに時間がかかり、通常よりも入国までに時間を要することが予想できます。
また、既に技能実習生を雇用しているものの、新型コロナウイルスの影響でやむをえず休業させる場合、雇用調整助成金の利用には注意が必要です。
これは、技能実習生はあくまでも労働ではなく技能の習得を目的として来日しているので、休業させて技能の習得ができないと不正行為に該当する可能性があるためです。
ただし、雇用保険の被保険者期間が6ヶ月以上の場合は、雇用調整助成金・中小企業緊急雇用安定助成金の支給対象労働者となります。
技能実習生を休業させる必要が出てきた場合には、速やかに管理団体に連絡しましょう。
就活以外についての不安
外国人留学生は、コロナ禍のなかで就活以外の生活に関しても様々な不安を抱えています。
調査の中で、多かったのは以下のような回答です。
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- 母国に帰れない(43.7%)
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- アルバイトができない(39.1%)
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- 同級生や友達と会えないため、語学力が低下している(37.9%)
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- 在留資格の変更・更新の手続きができるか(27.1%)
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- 困ったときに相談できる人がいない(24.5%)
外国人採用を考えている企業は、このような不安にも配慮して対応することが望ましいでしょう。
2021年ー外国人就活のポイント【留学生側】
それでは、2021年の状況下で留学生側が内定獲得をするために、押さえておくべきポイントをお伝えしていきます。
様々な就活サービスを活用する
就活は、アプローチする側面が増えるほど、企業と出会う機会が多くなります。
求人数が減少している状況下では、特に積極気に多くの企業を知ることで、内定へと近づく可能性が高くなります。
就職サイト上に出ている求人広告だけではなく、エージェントや外国人雇用サービスセンターなどの公的機関、教育機関からの紹介など、様々なサービスを利用してみましょう。
しっかりと自己分析をし、面接へ
面接へ進む前には、しっかりとした自己分析が必要です。
日本学生支援機構(JASSO)が作成している「外国人留学生のための就活ガイド」では、就活準備の最初の段階として書き込み式の自己分析シートを掲載しています。
自分の得意なこと(長所)、苦手なこと(短所)、印象的だったエピソードやそこから学んだことなどを整理し、「自分はどんな人なのか」を明確にしましょう。
そこから自分に向いている業界や、面接で多い質問への受け答えなどを分析していけます。
また、web面接の場合、対面での面接より言葉やニュアンスが伝わりにくいので、答える内容だけではなく話すスピードや表情にも気を配りましょう。
2021年ー外国人採用のポイント【企業側】
次に、企業側が2021年の外国人採用を成功させるためのポイントをお伝えします。
常に最新の採用情報を発信する
外国人採用に取り組む際には、常に最新の採用情報を発信することを心がけましょう。
具体的には、外国人採用の実績や、採用スケジュール、採用方法やプロセスなどは、変更があり次第更新するようにします。
外国人採用の実績がある企業の方が留学生もエントリーしやすいですし、採用スケジュールやプロセスについては準備期間が長い方が安心できます。
WEB面接では受け答えしやすいよう配慮を
WEB面接では、実際に顔を合わせるよりも言葉やニュアンスが伝わりにくいです。
特に日本語にハンデがある外国人を採用する場合には、ゆっくりと聞き取りやすい話し方を心がけ、なるべく簡易な言葉を選ぶようにしましょう。
また、通信にラグがある時や、何かトラブルが起きた場合の対応方法も、事前に確認しておきましょう。
WEB面接について詳しくは、「オンライン面接とは?成功のコツや各ツールの特徴を解説」をご覧ください。
外国人材紹介サービスの利用もおすすめ
コロナ禍の中でも効率的に外国人採用をしたい場合には、外国人材紹介サービスの利用もおすすめです。
マッチング度が高く、すぐに働ける外国人の紹介を受けられるため、一から自社で採用活動を行うよりも工数を削減、納期を短縮することができます。
IT人材に特化した「JELLYFISH」
JELLYFISHは、外国人エンジニアの紹介に強みを持つ人材紹介サービス。
登録者の71%が35歳以下で、日本語能力試験N1~N3を保有している人材が多く所属しているため、若く日本語力の高い外国人材を採用することができます。
また、採用前から採用後にわたって、バイリンガルコンサルタントが外国人材をしっかりサポート。
社内の工数を減らして、外国人採用が可能です。
高度外国人に特化した「ネットエース」
ネットエースは、高度外国人人材登録者数No.1(137ヵ国/6万人超)を誇る外国人材紹介サービスです。
多くの人材が、就労ビザ・日本人の配偶者ビザ、永住ビザ、定住ビザ等を取得済みなので、ビザの心配なく雇用できることもメリットです。
出身国や母国語、対応職種も幅広く、マルチな人材紹介サービスをお探しの企業におすすめです。
2021年の外国人採用は余裕あるスケジューリングを
先にもお伝えしましたが、現在外国人の出入国やビザ発給は制限されていて、その状況も日々変わっていっています。
そのため、面接や勤務開始の予定が決まっていても、その日付通りに来日できないケースも多いです。
各種申請手続きにも時間がかかる可能性が高いため、不確定要素が多いことを考慮に入れて、余裕のあるスケジュールを組むようにしましょう。