会社説明会でよくある質問と、応募者が本当に聞きたかったこと

会社説明会では、最後に就活生からの質問を受け付けます。
質問に答えるだけなので簡単そうに思えますが、実は回答者としてのスタンスや回答内容には注意が必要となります。

今回は、会社説明会でよく聞かれる質問や、回答時の注意点について解説します。
回答までしっかり準備を行なって、会社説明会を成功させましょう。

会社説明会でよく聞かれる質問

会社説明会の終わりには、必ず質疑応答の時間を設けます。
大学など学校では、就活生に「必ず1つは質問して、自分を印象付けること」と指導していることもあり、質問なしで終わることはほとんどありません。

中でもよくある質問は、以下の通り。

・仕事内容について
・職場の雰囲気・社風について
・事業・サービスについて
・給与・制度・福利厚生などについて
・やりがい・志望理由・求められる人物像など選考について

外国人採用を行っている会社であれば、外国人の人数(割合)や出身国を質問されることも想定されます。

質問しづらい?会社説明会で本当に知りたいこと

就活生は会社説明会での質問内容は後の選考に影響すると考えていることが多いため、本当に聞きたいことを質問しているとは限りません。

聞きづらいけれど、就活生が知りたいであろうことについては、質問を受ける前に解説しておきましょう。

実際の働き方やライフスタイル

入社した後の実際の働き方は、就活生にとって最大の関心事です。

・残業時間数
・有給取得率
・育休取得率

などの数字はもちろん、一社員として感じるリアルな実情を伝えましょう。

自分では実情がわからない部署については、事前にインタビューやアンケートを実施しておくのもおすすめです。
きちんと会社の実情を伝えておくことで、選考にはそれに納得した就活生だけが残り、入社後の早期退職を防ぐことができます。

会社の雰囲気

会社の雰囲気も、就活生が知りたいことの一つです。
雰囲気をはっきり言葉にするのは難しいですが、

・社員に共通すること
・年齢層の比率
・男女比率
・平均勤続年数
・上司と部下の関係性
・休み時間や終業後、休日の過ごし方(社内レクや飲み会の頻度)

などに触れると、就活生にも雰囲気が伝わりやすいです。

入社後の待遇やキャリアパス

入社後の待遇やキャリアパスについて会社説明会で説明しておくと、ミスマッチから生じる早期退職を防ぐことができます。

待遇については、給与モデルとして
・基本給
・インセンティブ
・諸手当
・賞与

などの具体的な金額を解説するといいでしょう。
入社時・3年目・3年目以降などのリアルな数字を紹介すると、よりわかりやすいです。

キャリアパスについては、
・昇進・昇給制度について
・モデルケース
・実際の役職者の社内遍歴

などを説明します。

会社としての課題

会社説明会では自社の課題とその対処法についても解説しておかないと、後でネット上の口コミなどを見た就活生の志望度が下がってしまいかねません。

どんな会社も、何かしら課題を抱えているはず。
・会社の弱みやリスク
・業界全体の見通し
・業界内での会社の位置

などを解説し、またそれを会社がどのように考えているか説明しておきましょう。

会社説明会での質問回答のポイント

会社説明会で質問に回答するときは、以下のポイントに注意しましょう。

人事担当者だけではなく、現場社員が回答者になることもあるため、注意点は参加社員全員に周知しておきます。

当事者意識を持つ

就活生からの質問に対し、他人事のような回答をしていては、就活生の気持ちを掴むことができません。

たとえ質問内容が自分に直接関係ないことだったとしても、会社の代表者として当事者意識を持って回答しましょう。
自分が詳しくない分野については、事前にデータを集めたり担当者に聞き取りを行ったりして、できるだけ具体的に答えられるよう準備しておくのがおすすめです。

ただし、自分や特定の社員の経験に基づいたエピソードを話す際には、あくまでも一個人の経験・感じ方だと断った上で回答します。

就活生が理解しやすい言葉を使う

新卒者や業界未経験者を採用する場合、ビジネス用語や業界の専門用語を使うのは避け、わかりやすい言葉で回答します。
特に、外国人の採用を考えている場合には、より易しい言葉を使いましょう。

用意してきた回答をただ読み上げるだけではなく、就活生の反応を見ながら臨機応変に言葉を使い分けるのが大切です。

あいまいではなく具体的に回答

就活生からの質問には、なるべく断定的かつ具体的に答えるようにしましょう。
「よくわからない」「(個人的な経験以外で)~と思う」など曖昧な回答は、就活生に不信感を与えてしまいます。

根拠となるデータや数字、当事者の実体験などを交えると、より回答が伝わりやすくなります。

上から目線ではなく対等な意識で

就活生の質問への回答は対等な意識で行い、悪印象を与えないようにするのが大切です。

人事担当者は多くの就活生を自分が選別するという意識から、上から目線になりがち。
しかし、会社説明会に来ている就活生の中には、将来一緒に働く社員がいます。
選考に進まなかった場合や内定を出さなかった場合には、未来のお客様になる可能性もあります。

会社説明会は応募者を集める場ですが、世間に対して会社をアピールする場でもあるのです。

個人的な好みや価値観で答えない

会社説明会で就活生の前に立つということは、会社を代表するということです。
質問には個人的な価値観ではなく、会社全体の見解に基づいて答えます。

もちろん、補足的に一社員としての自分のエピソードを交えると回答に具体性が増し、より伝わりやすくなることもあります。
しかしそういった場合には、先にあくまで一個人の考えであることをことわってから話すようにしましょう。

質問しやすい雰囲気作り

会社説明会はある程度フレンドリーな雰囲気を作り、就活生の本音の質問を引き出すのが大切です。
会場が静かすぎたり、回答者の雰囲気が厳格すぎたりすると、就活生が萎縮して質問しにくくなってしまいます。

また、外国人採用をしたい会社であれば、外国人社員にも参加してもらうなど、採用したいターゲットに合わせた人選も必要。
年齢層やバックグラウンドが自分に近い社員相手だと、就活生も質問しやすくなります。

会社説明会の成功は準備がカギ

会社説明会で就活生に魅力を感じてもらうには、事前に入念な準備をしておく必要があります。

まず、全体に説明する会社概要や事業については、ホームページに載せているような大まかな内容だけではなく

・他社との差別ポイント
・社員への聞き取り
・具体的な数字

など、しっかりデータを集めてわかりやすい資料を作ることが大切です。

また、人事担当者以外の社員が参加する場合には、事前に自分のストーリーの組み立てや、人前での話し方の練習など準備をしておいてもらいましょう。
内定後の聞き取り調査では、会社選びの基準として「社員が魅力的だった」という理由が上位になることが多くあります。
会社説明会で現場社員を魅力的に見せることは、とても重要なポイントなのです。

会社説明会が終わったら、お礼メールなどで参加者にフォローを行うことも大切。
終了後すぐに対応できるように、文面やシステムなどは事前に準備しておきましょう。

まとめ

会社説明会の質問回答では、会社としての見解を簡潔かつ具体的に伝える必要があります。
準備なしでできることではないので、事前にデータ集めや資料作りなど、しっかり対策をしておきましょう。

また、質問しづらいであろう事柄については、質問を受ける前に説明しておくと、就活生に必要な情報を与えられてミスマッチを防ぐことができます。

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