「秋採用」の必勝法とは?秋採用実施企業や成功のポイント

秋採用とは、春・夏採用が終わった後に行う二次募集以降の新卒採用のことです。

以前は「秋採用=余り物」というイメージもありましたが、昨今では秋採用や通念採用を行っている大企業・優良企業も珍しくありません。

今回は、企業の採用担当者向けに、秋採用のスケジュールやノウハウをお伝えしていきます。
秋採用で人材を獲得するためのコツも解説しますので、ぜひ最後までお読みください。

「秋採用」とは?その実態

秋採用とは、その名の通り秋に行う新卒採用活動のことです。

まずは、秋採用の実態やスケジュールについて知っていきましょう。

秋採用の実態

秋採用とは、主に夏休み以後に行う新卒採用活動のことです。
企業によっては、12月など冬以降の採用活動のことも秋採用と呼ぶ場合もあります。

いずれにせよ、秋採用は春夏の採用活動が終わった後の、穴埋めとして行う企業がほとんどです。
そのため、秋採用は春夏の採用に比べると、採用枠が少なく倍率が高くなる傾向があります。

企業はなぜ秋採用を行うか

秋採用を実施する理由として、考えられるのは以下のようなものです。

  • 春採用・夏採用で採用枠が埋まらなかった
  • 春採用・夏採用の採用者から内定辞退者が出た
  • 公務員試験・部活動・留学などで春夏に就職活動できなかった学生を採用したい
  • 元々通年採用を行っている
  • 2020年の場合、新型コロナウイルスの影響で春夏の採用ができなかった

以前は、「秋採用を行っている=人が集まらないブラック企業」という見方もありましたが、2020年現在は少子高齢化の影響で、新卒採用は売り手市場です。

そのため、特別評判が悪いわけではない企業も、秋以降まで採用を行っている確率が高くなっています。

秋採用のスケジュール

秋採用はいつから始めるかというと、一般的には「夏休み後」です。

しかし、新卒採用のスタート時のように明確な日付が決まっているわけではないので、スケジュールは企業によってまちまちです。

大まかな流れとしては、9月頃に募集要項を公開し、10〜11月に選考12月頃に内定を出すというイメージになります。

秋採用をすべき企業とは

それでは、どんな企業が秋採用を実施するべきなのか、実際に秋採用をしている企業の特徴から知っていきましょう。

秋採用を取り入れている企業の特徴

秋採用を取り入れている企業に多いのは、まず中小企業BtoB企業

こういった会社は知名度が低いので、春夏の採用では大企業に応募者を取られてしまいがちです。
そのため、大手企業の選考や公務員試験に落ちた学生を狙って、秋まで採用を行っていることが多いです。

また、ベンチャー企業や外資系企業は、通念採用という形で秋にも採用を継続しているケースが多数。
このような会社は、夏〜秋に海外の学校を卒業した学生をターゲットにしていたり、自社にチャレンジする人材の幅を広げて実力主義の採用をしたいという狙いがあります。

一方、人気が高い大手企業は、採用活動が早期に終了すると思う方が多いのではないでしょうか。
しかし、会社の規模が大きければ、それだけ確保しなければならけない新卒者の人数も多く、昨今の人材不足の中では採用活動が長引きがちです。
そのため、現在は秋採用を行う企業に、規模による差はあまりないと考えて良いでしょう。

秋採用を実施している大手企業は?

2020年現在、秋採用を実施している大手企業には、以下のような会社があります。

    • 株式会社ヨドバシカメラ

 

    • 株式会社赤ちゃん本舗(セブン&アイホールディングス)

 

    • セコム株式会社

 

    • ホーチキ株式会社

 

    • 株式会社明電舎

 

    • 三井不動産株式会社

他多数

 

また、秋採用に限らず、通年採用を実施している代表的な企業は以下の通りです。

    • ソフトバンク株式会社

 

    • ヤフー株式会社

 

    • 株式会社サイバーエージェント

 

    • 株式会社ファーストリテイリング

 

    • 楽天株式会社

 

など

このように、誰もが名前を知っている会社や東証一部上場企業も、秋採用・通念採用を実施しています。

ただし、秋採用は穴埋めという意味合いが強いので、いま秋採用を行っている会社が2021年以降も実施するかどうかは不確定です。

秋採用で内定者を獲得するには

それでは、秋採用で内定者を獲得するために、企業側が行うべき工夫についてお伝えします。

春・夏採用との違いを認識する

春・夏採用と秋採用の違いは、まず応募者の数がかなり減ることです。
当然ですが、納得いく会社の内定を早期に獲得した学生は、それ以降は就職活動を継続しません。

そのため、求人サイトなどの閲覧数も少なくなり、母数形成に苦労するでしょう。
また、秋採用の場合には、採用者を決めたあとで内定辞退されてしまうと後がないので、内定辞退をしそうにないマッチング度の高い人材を獲得する必要があります。

これらのポイントを考慮に入れて、効果的な採用手法を考えることが大切です。

就活エージェントを活用する

知名度が低かったり、ニッチな事業を行っていて学生に見つけてもらうのが難しい企業は、就活エージェントを活用するのがおすすめです。

他の採用手法では、広く学生にアピールする方法を考えなければいけませんが、エージェントを利用すれば自社に合いそうな学生をピンポイントで紹介してもらえます。

エージェントに欲しい人材像を伝えておけば、スキルや性格まで見極めてカルチャーフィットしそうな人材と出会えるので、効率よく秋採用ができます。

採用する人材を具体的に想定しておく

企業から見て欠点がない優秀な学生は、春・夏採用で早期に内定を獲得している可能性が高いです。
そのため、秋採用で完璧な人材を見つけるのはなかなか難しいでしょう。

秋採用では、人材に求めるポイントをしっかり定め、それ以外の部分には目をつむるのも内定者を獲得するコツとなります。

仕事に使うスキルやビジネスマナーなど、入社後に教育できる部分は置いておき、素直さや意欲といったモチベーションで採用するのも一つの方法です。

特に面接は念入りに!

先にもお伝えしましたが、秋採用に応募する学生は、志望度の高い企業の選考に落ちていたり、内定を得たものの辞退している可能性が高いです。
そのため、面接ではどんな理由で他社を落ちたのかそのポイントが自社で問題になるかどうかを見極める必要があります。

面接で落ちた企業のことを聞くのはタブーではないので、「これまでどんな会社を受けましたか?」「自分が思う落選の理由は?」「内定を辞退した理由は?」などの質問をしても良いでしょう。

また、秋採用を受けに来る学生は、自社が第一志望ではない可能性が高いです。
志望理由や業界知識については、突っ込んだ質問もして、本当に自社に興味があるのかどうか確認しましょう。

秋採用で内定辞退されてしまうと、再度の穴埋めが難しいので、第一志望ではなかったとしても自社で頑張ってくれそうな人材を見つける必要があります。

まとめ

秋採用は、以前は「人が集まらない、いまいちな企業がするもの」というイメージがありました。

しかし現在は、少子高齢化による若手の人材不足や、新型コロナウイルスの影響により、大手企業・優良企業でも秋採用をすることは珍しくありません。

ただし、秋採用に残っている学生は、どこかに内定を得られない理由があり、母数自体も少ないので、秋採用で人材を確保するためには企業側の工夫も必要となります。

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